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日中首脳会談実施されれば東南アジア諸国は裏切り者扱いする

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 安倍首相は得意の“緊急会見”で北朝鮮の拉致被害者再調査の合意を誇ってみせた。典型的なまやかし政治だ。これまで北朝鮮は何度も再調査を約束し、そのたびに「見つからなかった」「他に拉致被害者はいなかった」とゼロ回答してきたではないか。こうしたインチキ外交をお膳立てしたのが「総理と毎日会う男」と官邸で呼ばれている斎木昭隆外務事務次官だ。ジャーナリストの武富薫氏がリポートする。

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 斎木氏が次に仕掛けているのが11月に北京で開かれるAPEC首脳会議での日中首脳会談だ。安倍首相は4月8日、官邸で胡耀邦・元総書記の長男、胡徳平氏(人民政治協商会議常務委員)と面会した。

 胡氏と習近平・総書記とは、親の七光り組である「太子党」仲間で親しい関係として知られる。この面会を受けて、5月に高村正彦・副総裁を団長とする日中友好議員連盟が訪中、共産党序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)と会談した。会談の際、高村氏は首脳会談の必要性をこう説いている。

「あなた方は安倍政権を好ましくないと思っているかも知れないが、安倍さんは2018年まで総理をやりますよ。その間、ずっと(首脳会談を)しないつもりですか。そうはいかないでしょう」

 来年の自民党総裁選で安倍氏が再選された場合、2018年まで任期があるという意味だ。 外務省アジア大洋州局の中堅官僚が語る。

「斎木次官はAPECを日中首脳会談の最大のチャンスと考えている。ベトナム、フィリピンをはじめ東南アジア諸国連合は中国の領海侵略に対する反発を強めており、中国批判の首脳宣言を出した。

 いまや中国はASEAN諸国に北京でのAPEC首脳会議をボイコットされることを怖れている。そうした中国の足元を見ると、首脳会談を受け入れやすい状況にある。米国も日中の関係改善を強く望んでいる。だから今のうちに道筋をつけようと、斎木さんは総理に胡耀邦の長男と面会した方がいいとアドバイスしてお膳立てをしてきた」

 対中強硬派と思われている斎木氏が、いつの間にか、高村氏ら親中派とともに首脳会談の根回しを始めたのだ。中国の足元を見るといえば聞こえはいいが、裏を返すと、東南アジア諸国との関係悪化で外交的に窮地に陥っている中国に日本が助け船を出すことに他ならない。しかもここでも米国の意向が働いている。

 ASEAN諸国を何度も歴訪し、「中国包囲網」を構築しようとしてきた安倍首相が、突然、日中首脳会談へと舵を切れば、東南アジアは「日本が裏切った」と見るだろう。斎木氏という1人の外務官僚に操られる安倍首相の“よきにはからえ外交”は、日本が世界の信頼を失う危険をはらんでいる。

※SAPIO2014年7月号



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