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地球温暖化と法律

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 環境省は6月6日に、地球温暖化が今後最も進むシナリオ(化石エネルギー源を重視しつつ、高い経済成長を実現する社会)で、今世紀末に日本の年平均気温が4.4度上昇し、真夏日が年平均52日増えるとの予測結果を公表しました。地球温暖化問題とは、排出された温室効果ガスが大気中に蓄積され、温室効果ガス濃度が上昇し、地表に蓄積される熱の量が増え、大気が温まる結果、地球上で様々な影響が生じる問題を指します。なお、世界気温上昇の幅は、今世紀末までにもっとも気温上昇の大きいシナリオでは、約4.0度と予想されています。
 地球温暖化が進む中、今回は、地球温暖化対策にどのような法規制があるかについて取り上げます。

 まず、地球温暖化対策のために、気候変動枠組条約(以下「条約」といいます。)があります。この条約は1992年5月に採択され翌年3月に発効し、日本は1993年5月に批准しています。また、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)では、先進国の拘束力のある削減目標を明確に規定した「京都議定書」が採択されました。この議定書において、日本は1990年に比べて-6%の削減目標を課せられています。
 削減目標が遵守できなかった場合の措置として、

(1)次期約束期間の排出義務に、遵守できなかった期間の排出超過分の1.3倍の排出削減量の上乗せ
(2)次期における目標達成の行動計画の策定
(3)排出量取引における排出枠を売却する資格の停止

ということがあります。ただし、議定書の削減目標には従わなければならない義務(これを法的拘束力といいます)がありますが、不遵守の場合の措置には法的拘束力はなく、これに従わなかったとしても法的な責任を問われることはないという特徴があります。

 わが国は、上記の目標を達成するために、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「温対法」といいます。)において、国等、事業者、国民の役割を定めています。国は温室効果ガスの濃度変化等の観測及び監視、総合的かつ計画的な対策の策定及び実施(温対法3条)をしなければなりません。事業者は、温室効果ガスの排出抑制のための措置を講ずるよう努力すること、国や地方公共団体の実施する施策への協力(同法5条)、排出量の算定・報告・公表をしなければなりません(同法21条の2以下)。対象事業者が報告をしなかった場合、虚偽報告をした場合には過料が課されています(同法50条)。国民は、日常生活において排出抑制に努め、国や地方公共団体の施策への協力(同法6条)が定められています。
 温対法は枠組みを定める法律であり、個別の法律としては、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」「国等における温室効果ガスの排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」等様々な法律が定められています。

 さらに、2012年10月からは「地球温暖化対策のための税(環境税)」が導入されています。これは、化石燃料に対して、二酸化炭素排出量に応じた税率(税率は3年半かけて段階的に引き上げられる)を上乗せして、その税収を日本のエネルギー起源の二酸化炭素排出抑制施策に充当するものです。資源エネルギー庁が4月3日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、4月1日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は3月末から5.1 円も上昇し、1リットル当たり164.1円となっています。ガソリン価格が高くなった理由の一つとして、2014年4月1日よりガソリン価格に、消費税が増税されたことに加え、環境税の増税(2段階目の引き上げ)分も上乗せされたことがあげられます。

 このように、地球温暖化対策は私達の身近なところに影響を及ぼしてきています。今度さらに影響が出てくると思われますので、国や地方公共団体等の政策に関心を持ち、自分達のできる範囲から努力をしていくことが重要であるといえます。

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地球温暖化と法律

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