「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

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「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

『パン欲』出版記念イベント

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

パン愛好家として活躍する池田浩明氏の『パン欲』出版記念イベントが「マルノウチリーディングスタイルCAFÉ」(東京・丸の内)で開催された。

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

会場に到着すると「パンが好きというより池田さんが好きなんです。」と語る熱狂的なファンたちで埋め尽くされていた。
旅は北海道の小麦畑から

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

いよいよ始まった。池田氏はいつもよりも少し真面目な面持ちで、北海道の小麦畑の話を始め、その穏やかな声の中に、小麦への熱い思いが詰まっていることを感じとることができた。

池田氏:「北海道の小麦畑につくと畑からパンの香りがしてきたんです。その日は曇り空でした。小麦は雨や湿度に弱く、雨が降ると溜め込んだでんぷんを分解しはじめるそうです。麦が湿度に反応してでんぷんの分解を始めたのを、僕がパンの香りのように感じたのだと思います。

小麦はでんぷんを分解していくとパンに必要なグルテンが弱くなってしまい商品価値がなくなってしまうそうです。

雨の多い日本でパン用小麦の栽培をすることがとても難しいのだということを、曇った空の下で、広大な畑を前に立ち、パンの香りを感じながら僕は改めて実感しました。そしてその難しさに挑戦している人たちがここ北海道にいることも、素直にすごいなと思いました。」

3 人のパン職人

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

左から割田健一氏(銀座レカン)、蔭山充洋氏(三浦・充麦)、米山雅彦氏(大阪・パンデュース)。

会では小麦について熟知した3 人のパン職人が、「北海道」「関東」「九州」の小麦を使ったイベントためのパンが振舞われた。

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

パンにおいて土地の風土をもっともよく表すのは原料である小麦。日本にあるさまざまな小麦の味は品種ごとに異なる。生育する土地によっても風味(テロワール)は別のものになるらしい。
「レカン」割田健一×十勝の小麦

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割田健一氏(銀座レカン)は、『パン欲』冒頭に登場する十勝・前田農産の小麦を使用。

割田氏:「今回は、キタノカオリ、キタホナミなど4種をブレンドし北海道産100%でバゲットを作ってみました。北海道産の粉の香りを出すために材料は小麦と塩と水だけにしました。

味と香りを感じやすいように、皮を薄めやや太めに成形することでクラムが多めで食べやすく、ゆっくりと味わえるバゲットにしました。

北海道小麦らしさであるもっちり感も上手く出てたと思います。塩はオホーツクの塩と藻塩の2種類使い、粒子の大きさの違いが味わいの変化をあたえます。」

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

【割田健一】

「銀座レカン」でシェフブーランジェを務める。レストラン・カフェとのコラボ、パンの提供を多数行う。パンの世界大会「モンディアル・デュ・パン」の元日本代表。
「充麦」蔭山充洋×三崎の小麦

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蔭山充洋(三浦・充麦)は、自ら育てた三崎産小麦を使用。

蔭山氏:「三浦産小麦75%と三浦産小麦全粒紛25%で作りました。材料は自家製酵母と小麦、塩、水だけです。口の中で噛んでいくうちにじわじわと感じる甘みは、畑の土によるもので、自分の畑は馬糞を堆肥として使っていて、それによって甘みのある小麦が出来るのです。」

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蔭山氏:「僕は、パン屋を始める前、横須賀でDJをしていて30代のときにバックパックで世界を旅しました。そのときアヴィニヨン(フランス)の田舎町で、小麦畑の中にあるパン屋を見て『こいうのが本当だよな。やりたいな。』と直感しました。それから試行錯誤しながら、2008年から自分で小麦を育ててパン作ってます。買う人が生産者の顔を見てパンが買えるし、僕は買う人を見て小麦やパンが作れる。繋がっているのが良いなと思っています。」

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蔭山氏:「まだまだ構想中ですが、麦畑の中でのパン教室を考えています。

種まき、雑草とり、麦踏、収穫、そして畑で焚き火しながらパンを焼くという1年かかるパン教室。畑の近くで取れたはちみつとかも一緒に食べたら美味しいよね。」

【蔭山充洋】

神奈川県三浦市にある「充麦」のオーナーシェフ。店の近くにある畑で自ら小麦を作り、パンを焼く、日本でも少ないパン職人。
「パンデュース」米山雅彦×熊本県の有機無農薬小麦

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米山雅彦(大阪・パンデュース)は、熊本県・東さんの有機無農薬小麦を使用。

米山氏:「今回のバゲットは、東さんの「ミナミノカオリ」100%で作りました。小麦のよさを出すために、湯種でクープ無しにすることで柔らかくもちもちに仕上げ甘さあるバゲットにしました。ふすまも入れることで、さらに甘さや穀物感も出しました。他の人とは違うバゲットにしたいなということも正直意識しましたね。」(笑

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【米山雅彦】

大阪の名店「パンデュース」シェフ。国産小麦を使用、農家から直接野菜を仕入れてパンを作るなど、生産者の顔が見えるパン作りをすすめてきた。千葉・新鎌ヶ谷「キャニス・ミノール」のプロデュースなども行い関東にも活躍の場を広げる。
「池田さんマフィン」

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レカン割田氏が「池田さんマフィン」を作ってきてくれた。これは池田氏がいつもかぶっている帽子をイメージしたもの。割田氏のユーモアが素敵なのだが、この日たまたま池田氏の帽子がいつもと違ったという落ちがあった。

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最後にはサイン会。
『日本全国パンの聖地を旅する パン欲』について

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

本について詳しく知りたい方はこちら。

http://pansta.jp/news/ewj1454/

「東京にいながらにして、日本全国のパンを旅することができる!?」(『パン欲』池田浩明氏出版記念イベント)

今回のイベントは、パンを愛する4人の熱い思いを聞きながら、希少な国産小麦のパンを食べ比べ、その魅力や理解を深める良い機会となった。

会場でいただいた柚子ソーダも美味しかった。普段は「レカン」割田氏のパンで作ったホットドックがあるそうで「マルノウチリーディングスタイルCAFÉ」もまた改めて再訪問したいと思う。

■この記事を執筆したパンライター
編集部たかこ
http://pansta.jp/user/kab1228/
パンとパン屋さんが大好きなパンおたくです。
「パンを食べると幸せな気分になる」というこの気持ちをみんなで共有したいと日々パンスタで活動しています。

■サイト情報
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パンスタ

国内最大級のパン専門コミュニティー、パンとパン屋さんのガイド「パンスタ」です。 パンスタ編集部ではパン屋さんへの取材、パン女子会の運営、パンイベントの企画運営などを行っています。

ウェブサイト: http://pansta.jp/

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