伝説のクリエイターが語る“理想的な部下”とは?

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伝説のクリエイターが語る“理想的な部下”とは?
 大手広告代理店の博報堂には、伝説のクリエイターがいるという。
 来年入社40年目となる小沢正光氏だ。
 博報堂にその名を知らない社員はいないという。クリエイターとして圧倒的な仕事の実績ももちろんだが、彼の発してきた「ことば」の力によるところが大きいのだ。

 本書『おざわせんせい』(博報堂「おざわせんせい」編集委員会/著、集英社インターナショナル/刊)では、博報堂の生きる伝説、小沢正光氏の至言・名言・暴言を紹介する。
 小沢氏は、2014年4月より博報堂顧問兼チーフプラニングオフィサー、エグゼクティブクリエイティブディレクター。アサヒビール、日産自動車、アップル・コンピューターをはじめとする多数の企業のテレビCM、新聞広告、雑誌広告などの企画制作やブランディングなどを手がけた。

「世界中、探したのか?」
「戦争の真っ最中に弾丸の込め方を教えている暇はない」
「調査しないと分からない、というマーケはクビ」
「基本的に・・・は要らない。具体的に言って」
「考え方は、3つあるだろ。正しい考え方、間違った考え方。そして、俺の考え方だ。」

 これらは本書で紹介されている小沢氏のことばの一部だ。一刀両断・一撃必殺の言葉の数々。小沢氏と共に仕事をした部下たちは、仕事の向き合い方や思考の深め方、さらには抗いようのない理不尽なパワーがこの世には存在するんだということを、否応なしに学んできたのだという。

 また、本書の巻末では、小沢氏が大学生から「逆面接」を受けている。
 「小沢さんにとってはどんな部下が一番理想ですか?」という質問に対し、小沢氏は「正直なところ、誰でもいい。理想とかはない。」と答えるが、「こういうヤツだけは部下にしたくない」という部下はいるという。
 そして、「入社試験の面接とかしていると、ときどき『博報堂に入って自己実現がしたい』とか言うのがいる。そういうのは来てもらったら迷惑だ。こっちはチームで1つの課題、共通の目標に向かって努力しているんであって、お前さんの自己表現なんか関係ないんだよってことだ。会社は自己実現の場ではなく、仕事の場だからな。多少は理不尽な目に遭ったりするかもしれないが、ここにいてがんばったら何か成長するかもしれないよ。」と続け、「自分が教わったことを下の者、次の世代に返すのは義務なんだよ。」と語るのだ。
 時には理不尽なことばの洗礼を浴びた多くの部下たちも、小沢氏の人間性に魅かれる人は多いのだろう。

 小沢氏のような上司がいたら、怖いような、羨ましいような・・・という気分になってしまう本書。敢えて「内輪ウケ」の面白さを優先し、博報堂のローカル言語のままで記載しているところもあるという。
 博報堂という会社の一端を知ることができる。広告業界に興味がある人も読んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)



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