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キャベツもカブも「菜の花」が咲く

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サクラ前線が北上し、北海道でもつぼみがほころび始めている。そのサクラとともに、春の訪れを実感させてくれる菜の花。見て綺麗なばかりか、野菜売り場で食材としても売られているが、実は「菜の花」というのは品種の名前ではないという。玉川大学・農学部教授の今村順教授にくわしい話を聞いた。

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「言葉の意味から大まかに言うなら“菜”、つまり食用になる葉の花で、かつ花が黄色い物が『菜の花』となります。正確を期せば『アブラナ科植物のアブラナ属に分類される植物の花』のこと。いずれにせよ、菜の花というのは品種ではなく、あくまでこれらの総称なんですよ」

アブラナ科の植物…小学校で習ったような。確か、キャベツなどがアブラナ科なんでしたっけ?

「はい。キャベツ、小松菜、水菜、カブ、白菜、チンゲン菜などの野菜はこのアブラナ科アブラナ属ですよ。これらの野菜を収穫せずにいると、やがて中心から茎が伸びてきて“菜の花”が咲きます。もっとも、野菜売り場で“菜の花”として売られているのはキャベツの花ではなく、より食用に適した在来種アブラナや、セイヨウナタネですけどね。それからキャベツの仲間、ブロッコリーもよく見るとつぼみの集合体であることがわかります。つまりブロッコリーを食べるのは菜の花を食べていることになります」

花であれば、やがて実を結ぶ。“アブラナ”というぐらいで油分を多く含み、そこから取れる油「なたね油」は、食用や灯火用として日本では古くから用いられたのだとか。菜の花畑は、最盛期では全国で40万ヘクタール以上あったというが現在では数百ヘクタールにすぎず、さらに景観を作るためという要素が強くなっている。そこには大きな理由があった。

「在来のナタネやセイヨウナタネから作られたなたね油には、不飽和脂肪酸であるエルシン酸とグルコシノレートが多く含まれていて、体への悪影響が取り沙汰されるようになりました。そこに目をつけたカナダの研究者が、それらを含まない油を取れる品種として開発したのが『キャノーラ品種』。これが“体にいい”と大当たりしたんです。『キャノーラ油』とはつまりこの品種を使ったなたね油なんですよ。それ以降、搾油用のナタネはもっぱらカナダからの輸入に頼ることになったんです」

品種の改良競争や、貿易の話がここで絡んでくるとは…。菜の花を見るときは、これまでより感慨深く楽しめそうです。
(宇都宮雅之)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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