「ゲームがつまらないんじゃなくて、自分がヘタなだけ」 10日で会社を辞めた社員への助言ブログが反響

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「ゲームがつまらないんじゃなくて、自分がヘタなだけ」 10日で会社を辞めた社員への助言ブログが反響ヨドバシカメラの人事担当者が、就職情報サイト「リクナビ2015」の人事ブログに寄せた内容が話題を呼んでいる。タイトルは「新入社員が退職した」というもの。

今春入社した新卒社員のKさんが、「わずか10日」で退職を申し出てきた。理由は、販売が「アルバイトの延長のような仕事」にしか思えず、続けていくことはできないと思ったから。辞めた後、Kさんは公務員を目指すのだという。

楽しさにたどり着く前に辞めれば「幸せになれない」
なぜ公務員になりたいのかを聞いても、Kさんからはしっかりした答えが返ってこない。人事担当者は慰留を諦めつつ、「働いて幸せ」と思える考え方を自ら伝えることにした。

まず、Kさんが好きだというゲームの話をし、

「ガンダムEXVSを初めてプレイする人が、対戦プレイで君に勝てるかな?」

と切り出す。それはムリと答えるKさんに、「手も足も出せずにキミに負けた初心者くんが『ガンダムエクストリームバーサスなんてつまらない!クソゲーだ!』と言ったとしたら、Kさんはどう思う?」とさらに問いかける。

「ゲームがつまらないんじゃなくて、自分がヘタなだけじゃないですか」

このKさんの答えを受けて、人事担当者は「楽しさを理解するには練習と経験が必要」と説き、ちょっとやってみただけで「つまらない」とか「自分には向いていない」というのは早すぎるという話に誘導する。

これは仕事も同じで、転職を繰り返す人は「楽しさにたどり着く前に職を変えてしまうから、幸せになれない」と指摘。「大切な人生だ。自分がどんな職につくべきかを、もっと真剣に考えたほうがいいと思うよ」とKさんを諌めたそうだ。

ブログは、相談を終え退職届を提出して去っていくKさんが「それまでと違って後ろ向きな逃避ではない、前を向いて一歩踏み出そうとする者の顔をしていた」と締めている。

この記事はSNSで拡散され、約3000件もツイートされるほど話題になった。内容は人事担当者に好意的な感想が多い。

会社に「楽しいチュートリアル」は必要なのか
特に評価が高かったのは、若者が興味を持てるように、ゲームを例に出して語ったセンスだ。

「辞めていく人間にそこまで言ってくれるなんて」
「こういう上司のいる会社に新卒で入りたかった」

新人が数か月で嫌になり、地元で公務員を目指したいというパターンは、ブログやQ&Aサイトに数多く見られる。今どきの若者が壁にぶつかったときの、よくある話といえる。

しかし、公務員になるためのハードルは低くない。2014年度の東京都職員(大卒程度)の採用試験の申込情報を見ると、「行政(一般方式)」は倍率11.8倍という難関だ。

仮に試験に合格したとしても、生産人口の減少や国の財政再建の流れから考えて、地方自治体の予算は将来的に縮小し、業務環境は厳しくなることが予想される。そう考えると、人事担当者の助言にも説得力が出てくる。

一方で、担当者の言葉が「共感できない説教」という反論もある。いまどきの良いゲームには「楽しいチュートリアルがある」のであり、「初心者がプレイしながら操作方法を学べる」ような丁寧な教育ステップが、会社に不足していたというのだ。

この意見に、ファミコン世代の30代会社員は、「ゲームを甘く見すぎている」と批判的だ。

「僕らの時代では、ゲームは、死んで(失敗して)も死んでも、諦めずに食いついてようやくモノにするのが当然でしたよ。それに比べると、今のゲームは初心者にも至れり尽くせりすぎなんです。むしろ、ぬるいゲームばかりしているから10日で辞めちゃうんですよね」

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