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お寺の供え物のお酒 誰が飲んでる?

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 お金や仕事、健康、将来など、私たちはさまざまなことで悩みます。
 そんな時は、友だちや家族に相談したり、一人になって考える時間を持ったりと、なんとかその悩みを軽くしようと努めますが、どうしてもうまくいかなかったら「仏教」の教えに触れてみるといいかもしれません。
 『お坊さんが教える「悟り」入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)は、現職のお坊さんである著者が、私たちの直面するさまざまな悩みや困難から心を楽にしてくれる仏様の教えを紹介してくれる一冊。
 今回は著者の長谷川俊道さんにインタビュー!今日から始められる仏教やお寺、お坊さんとの付き合い方をお聞きしました。その後編をお送りします。

―本書では、一般の人があまり知ることのない仏教のしきたりや決まり事も紹介しています。たとえば「お彼岸」や「お盆」など昔からの習慣が徐々になくなってきている、というような実感はありますか?

長谷川:それはあります。ただ、昔に比べると、最近の若い人は日本文化だとか伝統の「意味」を知りたがっているというのも感じます。それをきちんと説明して、納得してもらえれば、まだまだ日本仏教も捨てたものではないと思いますよ。

―昔は、お盆になるとナスやキュウリで作った動物をあちこちで見かけましたが、近頃はあまり見なくなりました。

長谷川:それは土地の和尚さんがちゃんと教えないからです。お盆はご先祖様が子孫に早く会いたいから馬に乗ってやってきて、帰っていく時は後ろ髪を引かれる思いだからゆっくりと牛に乗って帰っていくというようなことを、昔からお坊さんが教えていたんです。
大事なことは、そうやってキュウリで馬を作ったり、ナスで牛を作ったりして、家族みんなでご先祖様に思いを馳せることなんですよ。でも、今はお盆というと海外旅行週間のようになってしまっています。それが悪いことというわけではないのですが、こうなってしまっているのは私も含めてお坊さんの布教が足りないのだと思います。

―とはいえ、日本は国民の98%が仏教式の葬儀をしているとも書かれていましたし、文化的には仏教の影響は強いのではないですか?

長谷川:今はそうですけど、これがずっと続くとは思いません。今の仏教的な風習ですとか制度というのは、私たちが努力をしないといずれ消えていきます。

―戒名なども、最近は存在意義が問われることが多いですよね。

長谷川:要らないと言われることが多いですよね、俗名でいいじゃないかと。でも戒名にしても何にしても、仏教の制度や風習には意味があるんですよ。それをお寺やお坊さんの側が一般方々に説明して、納得してもらって、大事なものなんだと思ってもらえるような努力をしないと、いつか本当に「必要がないもの」になってしまいます。
お寺そのものにしてもそうです。こういうお寺が近所にあってよかったな、と思ってもらえるお寺作りをしないと、やがては消えていってしまうはずです。

―なるほど。同じような志を持っているお坊さんはいらっしゃいますか?

長谷川:たくさんいます。小池龍之介さんとか、大阪の應典院さん、恐山の南さんもそうです。若いお坊さんは現状に危機感を持って様々な取り組みをされていますね。

―お坊さんとお話するのは滅多にない機会なので、気になっていたことをお聞きしたいのですが、初詣などでお寺の本堂の中に入ってお参りする時に、仏様の前に高そうな日本酒の瓶がたくさん並んでいるのが見えます。あれは最終的にお寺の住職さんが飲むんですか?

長谷川: たとえば新潟などで多いのが、檀家さんに酒造所をやっている人がいるケースですね。そういう人は作ったお酒の一番においしいところをお寺に持っていって仏様にお供えするわけです。そして二番目においしいところを自分で飲んで、三番目以降を商品にして売るという。
そういうこともあって、昔からお寺にはお酒だけでなく色々なものが集まってくるんですよ。もちろん和尚が飲んでもいいんですけど、私はお盆やお彼岸で檀家さんが集まった時に振る舞っています。その方が楽しいですし、第一自分で全部飲んだら病気になりますよ(笑)。

―本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか?

長谷川:すべての年代に読んでいただきたいです。特に、目の前の悩みにぶつかって身動きの取れない方々。明日命がなくなるかもしれないと考えれば、大抵のことは深刻に悩むことではないはずです。

―最後になりますが、悩みや苦しさを抱えて生きている方々にメッセージをお願いいたします。

長谷川:「日々是好日」。毎日、「いのち」のあることに感謝し、家族に感謝し、自分の「ご縁」に感謝しましょう。そして、なるべく多くの「ありがとう」をもらう日常を送るように努力しましょう。「しあわせ」は、いつも「自分」が決めるのですから。
また、ぜひうちのお寺に来ていただきたいですね。もちろん、電話でもメールでも構いません。人それぞれ違った苦しみや悩みを持っています。中には本当に重い悩みを持っている人もいますし、苦しい病気を治せるわけではありませんが、少しでもお役に立てれば、喜びです。
(新刊JP編集部)



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