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田中がMLBで成功できるカギは? 野村克也が分析

エンタメ

田中がMLBで成功できるカギは? 野村克也が分析
 日本プロ野球(NPB)もメジャーリーグ(MLB)もレギュラーシーズンが開幕し、野球の話題が新聞やテレビなどを賑わせている。
 今年の注目はなんともいってもニューヨーク・ヤンキースと大型契約を結んだ田中将大投手だ。4月18日時点で3試合に登板し2勝0敗。立ちあがりに不安が残るも、まずまずの投球を見せている。

 そんな田中投手の恩師であり、東北楽天ゴールデンイーグルスの元監督である野村克也さんは、新刊『野球のコツ』(竹書房/刊)で田中投手の強みを「コントロール」だと断言し、そのコントロールがあればメジャーでも通用するだろうと分析している。
 では、そもそも「コントロールの良い投手」とはどのような投手のことを言うのだろうか? 「ノムラの考え」を参考に探っていこう。

■コントロールの良い投手の条件とは?
 田中投手といえば、直球とスプリット、高速スライダーという2つの変化球を軸に、狙った場面で三振を取れる投球術がクローズアップされるが、実は2013年の規定投球回投手で、最も与四球率(投手が9イニング投げた場合の四球の平均数)が少ないコントロールの良さの持ち主だ。
 野村さんは与四球率が「2.00」を下回れば、「かなりコントロールがいい投手と言える」と述べている。これは野球についてあまり詳しくない私たちでも、とても分かりやすい指標であり、田中投手は212回で32四球、与四球率1.36と抜群の数字を誇っている。昨年のNPBの主な先発投手たちの与四球率と比較としても抜けていることが分かるだろう。

 岸孝之(埼玉西武) 178回1/3 31四球 与四球率1.56
 三浦大輔(横浜DeNA)175回2/3 33四球 与四球率1.69 …セ・リーグ最少
 菅野智之(読売)176回 37四球 与四球率1.89
 (いずれも2013年レギュラーシーズンの成績)

 岸投手、三浦投手はコントロールの良い元気投手として必ず名前があがる存在だが、昨年の田中投手がいかに異次元であったかがうかがえる。
 しかし、MLBには田中投手の与四球率を上回る投手がいる。

 クリフ・リー(フィリーズ)222回2/3 32四球 与四球率1.29
 アダム・ウェインライト(カージナルス)241回2/3 35四球 与四球率1.30
 デビッド・プライス(レイズ)186回2/3 27四球 与四球率1.30
 (いずれも2013年レギュラーシーズンの成績)

 野村さんは外角低めへのコントロールと田中投手特有のスライダーがあれば、彼はメジャーでも通用すると断言している。
 ウェインライト投手はナ・リーグ最多勝2回、リー投手は2008年に22勝をあげている大投手。彼らの成績に並べるか、田中投手に期待がかかるが、まずは岩隈久志投手(マリナーズ)の与四球率1.72(2013年)、黒田博樹投手(ヤンキース)の与四球率1.92(2013年)といった、与四球率2.00以下を目指すことが第一ではないだろうか。

■レジェンドはもっとすごかった
 NPB史上、最もコントロールの良かった投手の一人として必ずあがるのが、杉浦忠投手(南海)だろう。南海ホークスの名捕手だった野村さんにとって同じ年の“相棒”である。杉浦投手が38勝4敗という圧倒的な成績を残した1959年の与四球率は、なんと「0.85」。371回を投げて、35四球という驚くべき数字だ(*1)。
 その年、杉浦投手はストレートとカーブだけで打者を圧倒した。アンダースローというフォームから繰り出されるストレートはホップして浮き上がり、カーブは左打者が外角ボール球と思って見逃しても、その鋭い曲がりでストレートゾーンに入り、見逃し三振になる。
 野村さんは杉浦投手について「実際のところ繊細なコントロールには欠けたのだが、数字の上では稲尾和久(西鉄)より与四球率が低い」と語り、「腕を振り、球に勢いがあり、ド真ん中に投げても凡打に打ち取れた分、四球は少なかった」と回想している。

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