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自己PR欄には「スゴイこと」を書く必要がない理由

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前回のコラムの最後に、自己PR欄には「自分がしてきたことを具体的に書いてもらいたい」とお伝えしました。こういうと、逆に「具体的に書けるようなスゴイことなんてしてないよ……」とプレッシャーに感じた方もいるのではないでしょうか。

実際、「自己PRに書けるようなスゴイことが何もなくて」と悩む就活生によく会いますし、内定者からも「就活中にスゴイこと探しで困った」という声を聞いています。ですので、「企業の採用担当者はスゴイ話なんて求めてないよ」と言うと、彼らはいつも驚きます。

「一緒に働きたい」のは、どんな人か考えてみる
採用担当者が自己PRを通して知りたいのは、その人がスゴイ経験をしたかどうかではありません。若いころからそんな運のいい人なんて、そう多くないでしょう。

そんな経験を求めても、ほとんどの人には難しいことは分かっています。採用担当者が知りたいのは、「この学生はどんな人なのか? どんな考え方を持っている人なのか?」という人柄や考え方です。そこから「一緒に働きたいかどうか?」を感じていきます。

それでは、人というものは、どんな人となら一緒に働きたいと思うのでしょうか。インターンシップ生たちに聞いてみたところ、こんな回答を貰ったことがありました。

「明るくて、一緒にいて楽しい人」
「頑張ってることを褒めてくれる人」
「仕事ができる人」
「イケメン!(笑)」
「失敗してもフォローしてくれる優しい人」

これらはあくまで一部でしかありませんが、みんな言いたい放題の素直な思いを話してくれました。実は私も、彼らと同意見です(「イケメン」はともかく……)。自己PRを読んで上記のような人柄を感じることができれば、私は書類選考を通過させています。

自分が意識して明るく努め、一緒にいる人に楽しんでもらおうとした経験はありませんか? 頑張っている人に気づき、心から認めた経験はありませんか? 誰かの失敗を一所懸命にフォローした経験はありませんか?

その経験を具体的に書いてくれたら、自然と伝わります。エピソードは、アルバイトでも部活でもボランティアでも何でも構いません。

「道を聞かれて案内をした」だけだっていい
実際、「スゴイことではないのに、人柄が伝わる自己PR」をしてくれる学生に会ったことがあります。居酒屋でアルバイトをしていた彼は、ある日、呼び込みをするために大通りにいると、観光に来られたご夫婦から道を聞かれたのだそうです。

目的地は近くではあるけど、少々分かりにくい場所だったため、一緒に現地まで付いて行きました。すると、その日の夜に、そのご夫婦が来店してくれたといいます。彼は最終面接で「これからも人のためにできることをし続けます」と自然体で話していました。

弊社の判断は、文句なしの「内定」でした。言うまでもありませんが、自己PRだけで決まったわけではありません。しかし、最後まで道案内の話が話題にあがったのは事実です。ただ、残念ながら彼は他社への入社となり、弊社には来ていただけませんでした。でも、今でも個人的に連絡を取り合っています。入社後は、予想通り大活躍をしているそうです。

彼が自己PR文で伝えたことは、ただ単に道を聞かれて案内をしただけのエピソードです。しかし、彼はいつも他人のためにすぐに動く人でした。その習慣は社会人になってから、いや、人として最も大事なことです。その人柄・考え方が伝わってきていたので、書類選考を合格としました。

自己PR文では、スゴイことを書こうとするのではなく、自分が大事にしてきたことを具体的に書いてください。そうすれば、あなたの良さは自然と伝わります。(河合浩司)

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【プロフィール】河合 浩司(かわい・こうじ)
上場企業のメーカーで人事課長を務める、採用業務15年超のベテラン。学生たちの不安を煽って金を儲ける最近の就活ビジネスを批判し、ペンネームでのツイッター(@k_kouzi7)やウェブコラムを通じて「自然体の就活」を回復するよう呼びかけている。

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