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宮川大輔「失敗もすべらない話に」

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「最初は実家の喫茶店を手伝ってたんです。手伝いだからお駄賃みたいな時給やし、なんか違うと思って、友だちと京都のラーメン屋さんでバイト始めたんです。友だちが厨房、僕はホール。ホール希望だった友だちに『僕のがカッコよかったから選ばれたんやないか』と冗談言ったら、友だちは2日くらいでやめよって」

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それは高校時代の夏休み。ひとり残され2カ月間働いたというが、多くの芸人のようにバイトで汗水を垂らすのはまたしばらく先のこと。宮川さんの場合は高3から役者を目指し、ツテを頼ったらなぜかNSC(吉本の芸人養成所)に行き着き、途端に忙しくなるのだ。

「若手ユニットの『天然素材』に入るんです。毎日ダンスせなあかんし、仕事は常にあるし、お金は大してもらえないけど会社でご飯食べさせてもらって」

一躍スターダムに!…は、ほど遠かったが充実した日々。「おれ、行けるんちゃうか?」という気にもなったが、現実はそんなに甘くはなかった。

「だんだん仕事がなくなって。やりたかった演技のこととか、どう這い上がろうかと考えていた24くらいがつらかったですね。生活のためにタクシーのLPガス入れるバイトやったんですが、しっかりバイトしたことがなかったので、朝早いわ怒られるわでつい『やめたるわ!』って」

だが知り合いのロシア料理店で厨房のバイトに採用され、意識が変わったという。

「喫茶店の経験もあって、料理が好きやったんですね。向いていたのもありますが、一生懸命やらんとおもしろくないってわかったんですよ。部活みたいなノリになって、本気でバイトしたらどんだけ稼げるんだろ? とか真剣に考えるようになりました」

過去をオープンに話せば誰かがツッコんでくれる

芸で再び食べていけるようになったのはだいぶ先。32歳までは、ずっとバイト生活。芸人だからといって、そこに“笑い”を期待してはいけない。

「バイトは無我夢中だったからか、おもろい話を覚えていないんですよ」

すなわち宮川さんにとって、バイト=生きる術。もしおもろい過去をご所望なら、DVD『大輔宮川のすべらない話を掘り起こす旅』をご覧あれ。宮川さんが『すべらない話』100トーク目を記念して、これまでネタにしてきた地元・京都を巡り、トークを彩ってきた同級生と再会しSMにおぼれた父とヨットに揺られ、しょうもない昔話を語らうのだ。

「過去をオープンにしゃべれば、苦労話も恥ずかしい話も、誰かがツッコんでくれて、笑えるんです。だから若いときにはどんどんバイトも挑戦して、いろんな場所に顔出して、どんどん失敗したらええんです。どんな思い出も気持ちや見方ひとつで、“すべらない話”になるんですよ」
(吉州正行=取材・文)
(R25編集部)

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