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藤沢烈「被災地支援は、企業が存在意義を再確認する好機」

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乙武: 藤沢さんが被災地で取り組んでいる、「コミュニティ」と「経済」の再構築というのは、どちらもゼロベースから始めるには生半可な活動ではないですよね。最初は「何から手を付けていいのやら…」という状況だったのでは?

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藤沢: おっしゃる通りです。しかも1カ所だけでなく、同じことを複数の場所で仕掛けていかなければなりません。

乙武: 想像もつきませんが、“コミュニティを作る”って、いったいどういう作業なんですか?

藤沢: これはすでに行政主導で進められていることですが、まずは、そこに「家」を建てることですよね。しかし、家以外のものをどうするかというと、そちらは案外何も決まっていなかったりします。地域に欠かせない学校や病院、商店をどうするか。そして雇用をどう生み出していくか。こうした計画を支援していくのが私たちの役割です。ちなみに、今、地域のコミュニティ作りを考えるとき、最初に必要なのは実はコンビニエンスストアなんですよ。

乙武: たしかに、さしあたって必要なものが、ひと通りそろってますもんね。首都圏でも震災直後にはコンビニから物資がなくなりましたが、それだけ住民にとって必要な物がそろっている、現代に欠かせない場所ということですよね。

藤沢: そうなんです。コンビニはこれまで、地元の商店街と競合してしまい、地域からあまり良く思われないケースもありましたが、今回の震災であらためてその重要性が確認されました。見方を変えれば、今回の震災や被災地支援活動を通じて、自らの存在意義を再確認した企業も多かったわけですよね。

乙武: なるほど。企業にも、ぜひ今後も積極的な被災地支援をお願いしたいですね。行政やNPOだけではカバーしきれない部分――とくに産業の復興という点においては、企業が大きな力を発揮するでしょうし。

藤沢: そうですね。そして、まだ少数ながら被災地で立ち上がっている事業者がいるので、そこを徹底的にサポートするのが我々の役目だと思っています。地域内だけで商売をやっていては経済が立ち行かないので、被災地の事業者は商品やサービスを県外にどんどん売っていかなければなりません。

乙武: そのあたりは、元経営コンサルタントの藤沢さんにとって、お手の物ですよね。“よそもの”が客観的な視点と見識をもって復興に取り組むのは、大きな強みになりそう。

藤沢: 実際、地域に解け込み過ぎても、離れ過ぎていてもいけないと思っているんです。大切なのは、外と内を行ったり来たりすること。だからうちのチームでも、現地滞在スタッフと都内にいるスタッフを、セットで行動させることを基本にしています。

乙武: そうやってフラットな視点を保つことで、いま被災地に必要なもの、取り組みの課題などが的確に把握できるわけですね。震災から3年経ちますが、まだまだ“よそもの”にもやれることがたくさんあるということを、多くの人に知ってほしいと思います。

(構成:友清 哲)

【今回の対談相手】
藤沢烈さん
1975年京都府生まれ。RCF復興支援チーム・代表理事。一橋大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て独立。NPO・社会事業等に特化したコンサルティング会社を経営。東日本大震災後、RCF復興支援チームを設立し、情報分析や事業創造に取り組む。文部科学省教育復興支援員も兼務。共著に『ニッポンのジレンマ ぼくらの日本改造論』(朝日新聞出版)、『「統治」を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会』(春秋社)。

(R25編集部)

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