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迫る温暖化危機 日本が孤立!?

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関東甲信越に記録的な大雪が降った先月、ちょっとびっくりするようなニュースが駆け巡った。「記録的大雪は、地球温暖化の影響」という話。ご記憶の方も多いだろう。気象の専門家によると、近年増えている極地的豪雨と同様、先月の大雪も地球温暖化による可能性が高いという。

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一時期に比べ、日本ではマスコミ報道もすっかり影をひそめた感のある「地球温暖化」問題だが、世界各国ではその影響とみられる天災・異常気象(被害)が続発している

たとえば、昨年11月にはフィリピンで超大型台風が発生し、6000人以上の死者を出す事態になった。この冬(現地では夏)はオーストラリアで記録的な熱波に見舞われ、山火事が相次いでいる。南太平洋のツバル、キリバスなど海抜の低い島国では高潮被害が増加し、国土水没の危機に見舞われている。現実にツバルでは、2002年7月からニュージーランドへの移住政策も始まっているとのこと。温暖化の影響とされる天災や異常気象は広がるばかりだ。

そんな「地球温暖化」問題をめぐり、2014年は重要な年であることをご存じだろうか?

世界各国は、京都議定書に続く温暖化対策の次期枠組み(世界各国がコミットする2020年以降の削減目標)を2015年末に合意することを目指している。途上国も含めた全ての国が参加する野心的な目標であり、12月にペルーで開かれるCOP20(国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議)は、合意に向けた重要なステップと考えられている。

だが、残念ながら日本の対応は後ろ向きといわれている。昨年11月のCOP19では、温室効果ガスの排出削減目標を「05年比で3.8%減」と大幅に下方修正し、世界各国と環境NGOから非難を浴びた。その象徴が、不名誉な「特別化石賞」だ。

折しもフィリピンの甚大な台風被害で、温暖化対策への関心が世界的に高まっていた時期。国際社会に背を向けるような目標の下方修正は、日本のイメージを大きく損なうことになった。

しかし、なぜこう言わざるを得なかったのか? 背景には、原発停止による「火力発電頼み」の状況がある。日本の温室効果ガスの3割は「発電」に伴って排出されており、国全体の排出量を大きく左右する。ところが、この3割を占める「発電」部門で、CO2を大量に出す火力発電頼みになったため、削減目標を下方修正せざるを得なかったのだ。

参考までにお伝えすると、1kwhの電気を作るにあたって生じる「ライフサイクルCO2排出量(※)」は、原子力の20gに対し、石炭火力は943g、石油火力は738g。排出量が少ないLNG火力でも599gと30倍に及ぶ。いかに影響が大きいが、ご想像いただけるだろう。

こうした状況を受け、温室効果ガスを排出しない「再生可能エネルギー」に期待する意見は多い。だが、現時点では再生可能エネルギーだけで電力を賄うことは到底不可能。将来的にその方向を目指すにせよ、数十年単位の時間が掛かることは避けられない。温室効果ガス削減はすでに「まったなし」の状態であり、そんな悠長なことは言っていられない。対策が後手にまわるほど、影響は大きくなってしまう。

となれば、もうひとつの選択肢は原発を再稼働させること。筆者は原発推進派ではないが、それ以外に現実的かつ短期的成果の見込める打開策は誰も提示できていないのが現実だ。「原発再稼働リスク」と「温暖化リスク」を秤にかけるわけではないが、少なくとも「温暖化リスク」をこのまま放置するわけにはいかない。そして世界各国は「原発のリスク」より「温暖化リスク」のほうが大きいと考えている。

いずれせよ、現状のような「火力発電頼み」では温室効果ガス削減はままならない。子供たちの世代に、酷暑や豪雨の頻発する未来を残すのは忍びないと思わないだろうか? 私事で恐縮だが、我が子が将来、酷暑のなかを出勤せねばならないかと思うと、筆者はたまらない気持ちになる。温暖化対策への取り組み、我々はどう考えるべきだろうか?

※ライフサイクルCO2排出量
発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から発電設備等の建設・燃料輸送・精製・運用・保守等のために消費される全てのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出したもの。(出典:電力中央研究所報告書ほか)
(篠塚裕也)
(R25編集部)

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