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居酒屋の「ファミレス化」が進行中

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「居酒屋」といえば、大学生やサラリーマンが一杯やるところ――それが一般的なイメージかもしれない。

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ところが今、そんな居酒屋が様変わりしつつある。学生やサラリーマンのみならず、“家族団らんの場”として利用する「子連れファミリー層」が増えているのだ。

その中心が、「団塊ジュニア」と呼ばれる1971~74年生まれ(※2014年現在、主に40~43歳)の層。特に、小学生くらいまでの子供を持つ共働きファミリー層に支持されているという。居酒屋事情に詳しい「ホットペッパーグルメリサーチセンター」は、そんな彼らを「いざか族」と名付けてこう語る。

「週末の夕方早めの時間帯に家族揃って居酒屋に出掛け、個室でのんびり過ごすんです。複数ファミリー同士で利用したり、祖父母と一緒に来店したりする例も多いですよ。かつてファミレスでみられたシーンが、居酒屋でも見られるようになっているんです。今や週末の早い時間帯の居酒屋は『ファミレス化』しつつあると言っても過言ではありません」

年配世代は「子連れで居酒屋」なんて聞くと眉をひそめそうだが、彼らは夜遅くまで飲むわけではない。週末の夕方に来店し、子供を部屋で遊ばせながら家族団らんのひと時を過ごすのだという。

店側も、そんな変化の兆しに敏感に対応している。たとえば東京都江戸川区の居酒屋「くいもの屋わん」葛西店では、2012年より店内にキッズルームを設置。絵本やおもちゃを用意したり、誕生日ケーキの持ち込みをOKにするなど、家族団らんの場として充実を図る。

大阪市北区の「居酒屋てんてん」もキッズスペースを用意するほか、多数の「親子体験イベント」を企画して子連れ層にアピール。店内のボードには「お子様とお父様でハンバーグ作り!」「小籠包作り体験のお知らせ」といった案内がずらりと並ぶ。このほか、お子様メニューに力を入れる居酒屋など、各店とも子連れファミリーの集客に余念がない。

こうした動きの背景にあるのが、この10年で進んだ居酒屋の環境変化だ。
2003年の「健康増進法」施行を皮切りに、店内の「分煙」が浸透。競争の激化で業態が多様化し「全個室」の店も増えた。さらに「酒離れ」といわれる若者向けにノンアルコールドリンクやデザートメニューも充実――こうした営業努力の積み重ねが、結果的に子連れファミリーにも居心地の良い空間づくりへと繋がったのだ。

加えて、ホットペッパーグルメリサーチセンターによれば、子連れファミリー増加の背景には、こんな事情もあるという。

「もともと団塊ジュニアは90年代の居酒屋ブーム期に、大学生・若手社会人として居酒屋をよく利用した世代。居酒屋には馴染みがあるんです。そんな彼らが、今や結婚して子供を持つ歳になった。“仕事より家族”という価値観を持つこの世代は、家族団らんを大事にしたい。しかし共働きだと、平日はそれもままならない。子供の塾通いなどで『家庭内孤食化』が常態化してしまう。せめて週末の夕食くらい、奥さんを家事から解放して、家族揃ってのんびり過ごしたい。“進化した居酒屋”はそんなニーズにぴったりの場だと気づいたんです」(ホットペッパーグルメリサーチセンター)

店内に紫煙が漂ったかつての居酒屋と違い、明るく清潔でメニュー豊富な最近の居酒屋は、子連れでも入りやすい。それに個室なら、子どもが少々騒いでも他の客に気兼ねせずに済む。子連れ層にとって、居酒屋は新たな“家族団らんの場”として、定着していきそうだ。
(目黒 淳)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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