ビジネス書を鵜呑みにするな 「自分プロデュース」で輝く方法

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ビジネス書を鵜呑みにするな 「自分プロデュース」で輝く方法
 「デキるサラリーマンになりたい」「成功法則を身につけたい」そんな風に思って、ビジネス書を読みあさったり、自己啓発をしたりする人は少なくないでしょう。しかし、その本に書いてあることをそのまま上手くやっても、なかなか成功に結び付きません。
 それもそのはず、凡人が努力しても、同じく努力している素質の高いエリートには届かないからです。同じ土俵で競っていては、負けっぱなしです。

 『凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。』(星野明宏/著、すばる舎/刊)は電通から静岡聖光学院中・高校の教諭に転身、弱小ラグビー部の監督として就任わずか3年で花園出場を果たしたという異色の経歴を持つ星野明宏さんによる一冊。
 生徒の強みを伸ばす星野さんの教育方法は各方面から注目を浴びています。では、誰もが輝けるようになる星野さんのメソッドとはどのようなものなのでしょうか。

■優秀な人の真似をするな
 ビジネス書では、よく著者自身の成功体験が語られています。そして私たち読者は「この方法なら自分でも出来そう」と思ってしまうのですが、エリートや成功者のやり方をそのまま真似しただけでは、成功することはかなり難しいでしょう。
 同じことをやるということは、素質や実力の違いが大きく出てしまうということです。そうなると凡人はエリートに勝つことができません。ならば、ある程度基礎を積んだところで真似はやめて、ゼロから自分の手で「自分像」を作り上げ、エリートとは全く違う道を歩むことが生き残る一番の方法になります。

■「自分をプロデュース」で弱小高校が3年で花園へ
 それまでにない「自分像」を作り上げること。それを本書では「自分プロデュース」と呼んでいます。そして、理想として、全員が「自分プロデュース」をし、「誰ひとりとして埋もれない組織」になることで、組織は大きな成果を生み出すことができるとしています。
 それを著者は、ラグビー弱小高校だった静岡聖光学院ラグビー部で実践しました。結果、わずか3年で花園へと導くことができたのですが、そこでキモになったのが「全員が十割の力を発揮する」という点です。
 著者はラグビー部の部員たちに対して次のように発破をかけたといいます。

「うちが花園制覇して、『静岡聖光学院ラグビー部花園制覇の軌跡』というテレビ番組ができたら、その後に選手単独のスピンオフ作品をつくれるくらいに全員がキャラクターを確立させろ!」

 とてもユニークな発破のかけ方ですが、自分がどのように外側から見られるのか、どのようなポジションにいれば輝けるのかを考えることを促す上では、とても理にかなったやり方ではないでしょうか。

■「自分プロデュース」3つのステップとは?
 著者が提唱する「自分プロデュース」には3つのステップがあります。

1、組織の中で「空席」の位置を探す
 あの人は「リーダー」、あの人は「優秀なブレーン」、あの人は「ムードメーカー」など、組織ではさまざまな役割があります。その中で自分が活かせる場所を新しく作ることが最初のステップです。このとき、エリートは自分の優秀な部分を探してそれを活かそうとしますが、凡人の優秀な部分はたかが知れています。だからこそ、「凡人」ならではキャラクターづくりを試みることが大事なのです。

2、特長をつくり出す
 自分は個性がない、と考える人もいるはずです。しかし、「自分プロデュース」では、「個性」でなく「特長」を伸ばすことが大事です。
 特長は自分でいかようにも作ることができます。例えば「どんなに小さな仕事でも、とにかく締切をしっかり守る」というのも特長です。そういった小さなことを積み上げていくだけでも、あなたは唯一無二になれるのです。

3、「発想」で勝負する
 発想力こそ素質や天性のものではないか、という声も聞こえてきそうですが、著者は、アプローチの仕方を少し変えてみることで大きく変化できると述べています。
 例えばラグビーで、終盤になると一気に崩れてしまうチームがあるとします。原因はスタミナ不足なのですが、このとき、普通ならもっと走ってスタミナをつける練習をしよう!という発想になりますよね。しかし、その練習に時間を費やしてしまうと他のものまで手が回らなくなってしまいかねません。
 著者はこのスタミナ不足を解消するために、「疲れにくい走り方を覚える」ことを提案します。体力を消耗しない走り方ができれば、終盤まで疲れずに試合ができるはずです。
 発想とは少しアプローチを変えることからはじまります。コツさえつかめれば、周囲からの見られ方も大きく変わるでしょう。

 いかがでしょうか。本書ではこの他にも電通で培ったマーケティング方法を応用した「自分プロデュース」の方法がつづられています。
 凡人がいくら背伸びをしても、届かない世界もあります。だからこそ、自分なりに勝てる道を探すことが大事。成功者の真似事をやめて、その価値観から解放されることで、等身大の自分と向き合うことができるはずです。
 なかなか上手くいかないと思っている人にとっては助けになる一冊であるはずです。
(新刊JP編集部)



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