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「農業転職」ライフの実態とは

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近頃、サラリーマン生活に別れを告げ、新たに農業を志す若者が増えているという。昨年発表された「新規就農者調査(農林水産省)」によれば、2012年の39歳以下の新規就農者は1万5030人。前年に比べ5.7%増加している。

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去る2月2日、千代田区丸の内の東京国際フォーラムで開催された「新・農業人フェア」にも、多くの若者が新規就農相談に訪れた。全国主要都市で年8回にわたり開催されている同フェアは、これまでに延べ7万人が訪れた日本最大級の農業イベントだ。

会場には全国160団体の農業関係者がブースを構え、就農希望者の相談に応じるほか、各地域の研修制度や作物、農地の状況なども紹介。そのなかには実際に会社員から農家に転身した人も多く、実体験を聞くこともできる。そこで、会場で出会ったR25世代の新規就農者に、転身後のリアルな実態を聞いてみた。

まずは、廃水処理装置の開発会社から、32歳で転職したサンバファームの松下信也さん。

「会社を辞めたあと、千葉県の農家で1年間の研修を行い、その後、近くの畑を借りて独立しました。研修先で教わったことをそのままやったのが功を奏したのか、野菜づくりに関しては最初からうまくいきましたね。未経験の場合、最初はそうやって近隣農家の真似をさせてもらうことから始めると間違いないと思います。農家の方って意外とオープンですし、聞けば何でも教えてくれますよ。収入面では当初は赤字でしたけど、現在は手取りで200万円くらい。4年目の今年からは会社員時代の収入に追いつきそうな見込みです」

当初想像していたよりも、農業が「ビジネスとしてきちんと成り立つ仕事」であることを実感しているという松下さん。では、働き方についてはどんな変化があったのか?

「ある程度は自分で調整できるので、労働時間を含め、会社員時代よりは負担は少ないと思います。ただ、農業は種をまけばまくほど収穫量が多くなり、仕事量も増えます。1年目は自分の能力と作付け量のバランスがうまくつかめず、夜中まで作業するなんてこともありましたね。まさに“自分がまいた種”というやつですけど」

次に、大学院を卒業後、サラリーマンを経験せずに就農した山木幸介さん。仲間2人とともに25歳で立ち上げた三つ豆ファームは、今年で10年目を迎える。

「もともと人の役に立って、それを実感できる仕事がしたかった。そういう意味では、農業は最高です。うちは直販もしていてお客さんと直接ふれあうことも多いのですが、自分がつくった野菜を喜んで食べてくれる人を見ると、恥ずかしくなっちゃうくらいうれしいんですよ」

農業は天職だという山木さん。ただ、当初は苦労もあった。

「農業一本で食べていけるようになったのは4年目からです。それまでは他にアルバイトをして生計を立てていました。特に、独立当時はお金がなく、トラクターなどの機械や作業場は研修先の師匠にお借りするような状況でしたね。ただ、当時は独身だったのでお金がなくてもなんとかなったんだと思います。下手なりに畑で野菜を作っているわけですから、食べ物はなんとかなりますし」

一方、独立という形ではなく、ファームに就職する形で、野菜づくりに勤しむ女性もいる。現在、茨城県土浦市の久松農園で農場長を務める伏見友季さんだ。

「大学卒業後は都内の会社でフラワーデザイナーとして5年、クッキングスクールで講師として4年勤めていました。その後、農業学校を経て、1年前から久松農園で働いています。初めてここの畑を見た時、管理された畑の美しさに感激したのをよく覚えています。決まった収量を上げるために計算し、畑に手を加え、ビジネスとして確立された農業。ここでなら、これまでのキャリアを活かし、やりがいのある仕事ができるんじゃないかと思いました」

農業というと土にまみれて働く泥臭いイメージがあるが、伏見さんからはバリバリのキャリアウーマンといった雰囲気が漂う。ついたあだ名は「農業サラリーウーマン」だ。

「実際に働いている感覚としては、都内で仕事をしていたころとあまり変わっていません。土日が休みなので、週末は都内で友達と会ったりもしていますよ。職場がオフィスから畑に変わって、通勤が電車から軽トラに変わったっていう、本当にそれくらいの違いなんです。あまり先入観をもたず、他の業界から農業に転職してくる人が増えていけばうれしいですね」

なお、三者とも研修先や農園と出会うきっかけは「新・農業人フェア」だったとか。農業を初めてみたいけれどコネがない、資金や収入面に不安がある。そんな人は一度、足を運んでみるといいだろう。
(榎並紀行/やじろべえ)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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