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【コンデジレビュー】機敏になったキヤノンのミラーレス『EOS M2』

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あらかじめ申し上げると、この機種は世に言うところの「コンデジ」ではなく、レンズ交換型のミラーレスカメラである。が、あえて”コンパクトなデジタルカメラ”というくくりで、レビューを行わせていただいた。

この機種、要するに?

・APS-Cサイズのセンサーと「DiGiC5」エンジンで画質は同社デジタル一眼と同等クラス
・とにかく小さく軽いボディのレンズ交換式ミラーレスカメラ
・ボタンは少なめだけどタッチパネルも使える操作系統
・レスポンスが課題だった前機種よりも高速化が図られる

チェックポイント


・レンズ明るさはどう?
レンズ交換型である本機種については、選べるレンズの多様性がウリでもある。よって、ボディのみでレンズの明るさについて語るのはナンセンスだろう。今回はEF-Mマウントの標準ズーム『EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM』、広角ズーム『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』、パンケーキレンズ(単焦点)『EF-M22mm F2 STM』についてそれぞれ試してみた。個人的にとりわけ印象的だったのは、コンデジとしての携行性を保ちつつ画質が担保されたパンケーキレンズだ(他のズームレンズの画質もさることながら)。開放F2の明るさで室内などの光量の少ない場所でも安定した撮影が可能になっている。また最短撮影距離15cmという短さを生かしマクロ的な使い方も可能だ。ボケ味の表現も非常に美しい。
こうしたレンズを選べるのは交換型の強みと言えよう。

・画質はどう?
言うまでもないが、センサーサイズはこのボディサイズとしては最大級のAPS-C。この上はフルサイズセンサーしかない。が、正直このクラスになると等倍での観察や切り出しを多用しない限り、違いはわかりづらいはず(逆を返せばその違いを気にする人は別の選択基軸でカメラのチョイスを行っているだろう)。積んでいるセンサーも画像エンジンも、これまでのEOSシリーズのものを踏襲している以上、画質に関する心配は無用となる。
なお常用ISO感度は100~12800とされている。

・重さはどう?
本体の重さのみで274g。先のパンケーキ『EF-M22mm F2 STM』が105g、標準ズーム『EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM』で210g、広角ズーム『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』で220gとなっている。合計すると379g~494g。一般的なコンパクトデジカメと同等の重さか、それよりも重い。
交換性能を生かすとなると、使用候補のレンズはバッグに忍ばせたい欲求に駆られるところ。性能と機動性(重さ)のジレンマはカメラそのものに課せられた命題ともいえるが、逆を返せば、進化によってこれだけの性能をこの重さで持ち歩くことができると考えたい。
普段から女性のバッグの1ポジションをキープできるか?と聞かれれば「難しいかも」と答えざるを得ないが。

・起動時間やレスポンスはどう?
前機種『EOS M』はレスポンスが課題であると言われていた。本機種はそこから大きな改善が加えらえ、高レスポンス化に成功したとのこと。そのひとつに「ハイブリッド CMOS AF II」の進化によるオートフォーカスの速さが挙げられている。『EOS M』よりもピント合わせのスピードが最大2.3倍高速化されたということもあり、フォーカススピードで”待たされる”感はほぼなかった。
また、タッチセンサーで任意の場所に即座にフォーカスできるのも特徴。くわえてAFに関して付け加えるなら、従来のコントラストAFとの組み合わせで高速・高精度が実現しているという。

では全体にキビキビしているか、というとまだ課題は残りそうだ。シャッター後、次の撮影に移るまでのタイムラグは若干だが残っているように感じた。特殊なフィルターを使った際には相応の処理時間がかかるのは仕方ないとしても、撮影後の機敏さという点では、一息間を置くイメージがある。総じて高性能なカメラだけに、ここは今後の課題として期待をしたいところだ。

さわってみて

小型化・軽量化と高性能を主軸に開発されたキヤノンのミラーレスはまっとうな成長をしているのだな、と感じた。メニュー画面などのユーザーインターフェースはEOSの安定感あるUIを継承しつつも、小さいボディというギャップに、最初は良い意味の違和感を禁じ得なかった。
フラットな形状のボディゆえ、ホールド感は同社のコンデジ『Powershot』シリーズなどよりも正直削がれているように思えたが仕方ない点だろう。
この大きさでレンズを交換したい、(アダプタをかませて)EFレンズ、EF-Sレンズなどの資産を有効活用したい、というような目的意識の高いユーザーにとっては非常にポイントの高い機種だろうとも感じた。
総じた癖の無さを考慮しても、非常にキヤノンらしい1台である。

本文では深く触れなかったが、Wi-Fi機能を利用したスマートフォン、プリンターとの画像データのやり取りなどの便利な機能も備えている。目に見えて高画質な一枚をSNSに投じることはもちろん、スマートフォンからカバンの中の『EOS M2』の画像を閲覧することなども可能となっている。

価値と特性を知る人には「ちょうどいい」一台となりうる『EOS M2』。街撮りはもちろん、最小限の大きさでクオリティを備えたい長期旅行などでも活躍しそうだ。

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

TwitterID: wosa

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