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「個人保証」による自己破産を減らせ 120年ぶりの民法改正

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友人から借金の保証人を頼まれ、義理で引き受けてしまったばかりに身の破滅を招いたという話は昔からよく聞く。その友人が借金を返せなくなると、債務が自分に降りかかってきてしまうのだ。

いくら信頼している人でも、「まさか」ということが起こりうるので簡単に個人保証を引き受けてはいけない。日弁連の調べによると、2011年に自己破産した人の約2割が、他人の借金などの債務の保証人になったことが原因だそうだ。

もちろん借りたものは返すべきなのが社会のルールだが、かといって借り手や保証人の責任が重すぎるのも問題だ。それが原因で自殺に追い込まれる人も少なくなかったことを考えれば、制度上の不備が放置されていたといえるかもしれない。

経営者以外は個人で保証人になれなくなる
そんな保証人に関するルールが、120年ぶりに予定されている民法の大改正で、大幅に見直されることが見込まれている。最大のポイントは、保証人として負わなければならない範囲が制限されることだ。

それほど収入がないのに大きな借金の保証人になってしまった場合には、裁判所がいろいろな事情を考慮して、保証人の責任を支払いが可能な程度に軽くできるようにする。

もう一つは、経営者以外の個人が保証人になれなくすることだ。保証人になったことが原因による破産は、本人だけでなく家族や親戚の生活にも多く影響する。これにより、普通のサラリーマン家庭に突如悲劇が降りかかるケースは減るだろう。

とはいえ、中小企業やベンチャーの経営者が保証人になれることに問題はないのだろうか。確かに経営者が保証人になることを禁じてしまえば、中小企業やベンチャーが会社の借金を個人保証することで金融機関からの融資を引き出すことができなくなる。

しかし、保証人になったことで身の破滅を招くという危険は、個人でも経営者でも同じだ。破たんした会社の社長が、自らの生命保険で借金を返済すべく首をつるシーンは、ドラマだけの話ではない。中小企業の9割弱が融資に個人保証をつけている現状もある。

会社は潰れても自宅などは残るようになるかも
これについては安倍首相も、5月に成長戦略に関するスピーチを行った際に、ベンチャー精神を阻んでいる原因の一つに「個人保証」があるとし、中小企業や小規模事業者のための新たな金融の枠組みを作りたいと述べた。

この新たな枠組みがどのようなものになるのかは不明だが、借り手の負担が軽くなり、かつ金融機関がリスクを取りやすくなるしくみにならなければ、起業が活性化することはないだろう。

そんな中、全国銀行協会などが主催する研究会が12月5日、経営者が融資の保証人になる制度を見直し、業績が悪化した場合でも経営者の手元に当面の生活費や自宅などの財産を残すことを認める指針を発表している。契約済みの個人保証も含め、14年2月から適用するという。

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カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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