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森博嗣「“やりがい”はねつ造」

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就職活動のときには「やりがいのある仕事」を求めていたはずなのに、現実はなかなか厳しい…と思う人もいるかもしれない。事実、働き盛りといわれる30代でも、日本能率協会の調査(2013年7月発表)によると、46.6%が「現在の仕事にやりがいを感じていない・あまり感じていない」とのこと。

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そんななか、一冊の新書が話題を呼んでいる。『「やりがいのある仕事」という幻想』(朝日新書刊)、著者は、工学博士で国立大学の助教授を経て作家へと転身した森博嗣氏。映画化されたスカイ・クロラシリーズをはじめとした数々のヒット作は、知る人も多いだろう。「人は働くために生きているのではない」と公言する氏に、“仕事のやりがい”について聞いてみた。

まず、冒頭に記した「30代が働きがいを感じていない」という点について、やりがいを持てない仕事に、どのようなスタンスで向き合えば良いのかを尋ねた。

「べつにそのままで良いと思います。“やりがいがない”と答えつつも、多くの人が働き続けていることは、悪い状況ではないでしょう。やりがいを感じられないのは、異常な事態ではありません」

社会には“仕事にはやりがいを持つことが是”という風潮がある。だからこそ、つい、“仕事にやりがいが持てない”ときには、解決法を探ってしまう。しかし、森氏は、「世間で言われている“やりがいのある仕事”は、社会によるねつ造に過ぎない」と一刀両断する。それでは、森氏が考える本当の“やりがい”とは、どういったものなのか。

「やることに対する抵抗感。つまり、やりとげることに伴う難しさです。生きる上では、ある程度の困難や苦労がつきものですし、それがあった方が僕は人生が楽しめると思います。だから、適度な生きがいはあった方が良いでしょう。ある人は、仕事にやりがいを見つけるかもしれません。それ以外のものに生きがいを求める人も多いでしょう。どうしても仕事にやりがいを求めることが、やや常軌を逸していると感じるだけです」

実際、森氏自身は、「僕自身は、仕事のやりがいというものは、いただいた報酬で自分の好きなことが実現できたときに感じます」と答えてくれた。

「趣味の中(森氏は、車や鉄道模型などの趣味人としても有名)でも、問題を見つけて苦労をして解決することがあって、やりとげたときに楽しみが味わえます」

“やりとげたときの楽しみ”、森氏の考える“やりがい”の本質の一端が垣間見えるような表現だ。

「こういったこと(やりとげたときの楽しみ)は、誰かが教えるようなものではなく、誰もが自分で感じることができるはずです。それを、仕事にやりがいを見つけろ、仕事のやりがいがあって楽しい、という言葉が先行するので、若者は素直になにか楽しい“やりがい”というものがあるのだな、と勘違いをするのです。やりがいは、本来は苦しいもののはずです」

仕事にやりがいを感じられないとお嘆きのアナタ、どうやら「やりがい」はべつに楽しいものではないようですよ。というか、ひょっとしたらアナタは、苦労が足りないのかも。やりがいを感じたければ困難にチャレンジするべきなのかもしれませんね。
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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