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脱法ハウスは「違法ハウス」 問われる刑事罰は?

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問題視される「脱法ハウス」の実態

オフィスや倉庫と称して、細かく仕切られた「居住空間」を提供する「脱法ハウス」が問題になっています。各居室は1畳~3畳の広さで、窓が無いか、あっても塞(ふさ)がれています。隣室との仕切壁も薄く、他室の物音が漏れてくるというような代物で、とうてい入居者のプライバシーは守れません。さらに、防火用設備や避難通路もお粗末で、火災や地震といった防災上の危険も指摘されています。

このたび、国土交通省が「脱法ハウス」について、「事業者が入居者の募集を行い、自ら管理等する建築物に複数の者を居住させる『貸しルーム』は、建築基準法の『寄宿舎』の用途に該当する」と判断し、「寄宿舎」の基準を適用して建築基準法上の指導を行うよう全国の特定行政庁(都道府県及び政令指定都市)に通知しました。

「寄宿舎」は「住まい」です。各居室について、最低面積・換気・採光など、快適かつ衛生的な暮らしが送れることを要求され、防火性や遮音性の高い仕切壁も必要です。居室の面積は7㎡以上(東京都内の場合)、天井高も2.1m以上で、居室ごとに窓の設置が不可欠です。「脱法ハウス」はこれらの要件を満たしていません。

建築基準法、消防法、旅館業法違反の可能性

100㎡以上の建物を「シェアハウス」として複数の入居者に貸す場合、内装をまったく変えなくても「寄宿舎」への「用途変更」手続きが必要です。さらに、居室を細かく仕切るなど内装に手を加える場合は、建築確認申請の手続きを要します。建築確認申請の手続きを怠り、勝手に工事を行うと、建築基準法違反として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処せられます。

また、消防法は一般住宅より厳しい防火対策を要求しています。自動火災報知設備の設置義務などが条例で拡大されている地域もあります。消防から防火対象物に対する改修・移転・除去等の措置命令を受けた場合、これに従わないと、消防法違反として「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」に処せられます。

さらに、「施設を設け1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に該当することから、「下宿営業」として旅館業法の適用を受けることも考えられます。「宿泊」とは寝具を使って施設を利用することで、宿泊者が寝具を持ち込む場合も含みます。この観点からは「脱法ハウス」は「下宿の無許可営業」に該当し、旅館業法違反として「6か月以下の懲役または3万円以下の罰金」に処せられることになります。

「脱法」という言葉からは「合法スレスレ」のグレーなイメージを受けますが、むしろ「脱法ハウス」は「違法ハウス」と断言した方が実態に即しているでしょう。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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