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一つの分野を極める人は飽きっぽい?

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 同じ環境で地道に仕事をして成長する人。
 節目ごとに環境を変えてステップアップしていく人。
 それまで育ってきた環境や性格、考え方によって生き方は様々だ。

 本書『極めるひとほどあきっぽい』(窪田良/著、日経BP社/刊)は、20代は研究者、30代は眼科医、40代は起業家と、「眼」という一つの分野を極めながらもキャリアを変えてきた窪田氏の幼少期から現在に至るまでの道のりを凝縮したものだ。

 今年で47歳になる窪田良氏は、父親の転勤で小学校4年生から中学1年まで、米国・ニュージャージー州で過ごした。
 そして中学1年のときに帰国。最初に編入した地元中学校は授業にまったくついていけず、自分で帰国子女専門クラスのある学校を探して転校。その後、父親が東京に転勤になったこともあり、慶應義塾高校に入学。慶應義塾大学医学部に進み、同大学院・医学研究科に進学し、網膜に関わる病気に原因遺伝子を見つける研究に没頭し、1995年、緑内障を引き起こす原因遺伝子の1つである「ミオシリン」を見つけた(論文の発表は1997年5月)。

 窪田氏には、そのまま研究を続けて大学教授になるという道もあったが、術の腕を磨くため、虎の門病院へ移籍。充実した眼科医生活を送っていたが、一人ひとりを治療するより、世界中から失明を根本的になくす方法を考えてみたいという思いが膨らみ始める。
 そして、眼科医をやめ、再生医療の研究をするため、2000年1月に博士研究員として米ワシントン大学に赴任。ここで、神経細胞を半永久的に存命させる技術を見つけ、その技術を基にアキュラというバイオベンチャーを立ち上げCEOを務めることになる。

 研究者、眼科医、そして起業家。10年ごとにキャリアを変えてきた。
 研究者時代に見つけた「ミオシリン」は世界でもその成果を高く評価され、そのまま研究を続ける道があったにも関わらず、眼科医に転身するという選択はなかなかできるものではないだろう。
 順調で居心地もいいはずの環境をすぱっと変えることができるのは、小学校時代の米国暮らしも影響していると窪田氏は語る。米国流のディスカッションを経験したことで、過程を考える習慣が身についたという窪田氏は、厳しい環境に絶えず置かれたことで、不安定な状態が嫌ではなくなったのだ。
 子どもの頃に度重なる転校という形で環境を変えているため、変化に対する耐性が人より強くなり、結果的に環境の変化に違和感を持たない、現状維持が不安になるメンタリティが作られた。これら米国時代に得た経験も大きく影響して、窪田氏は節目ごとにジョブチェンジを選択、決断することができたのだ。

 同じ環境で何十年も仕事をして自分を磨くのも素晴らしいことだ。ただ、同じ環境にいても成長が止まってしまう、悩んでしまう人もいるはず。そんな人は自分の好きな分野で積極的に環境を変えてみるのも、また1つの道。窪田氏のこれまでの軌跡や考え方に何か感じるものがあるのではないだろうか。
(新刊JP編集部)



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