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今、求められている“社会を変える仕事”

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 駅前や駅から会社に行く道すがら、『ビッグイシュー』という雑誌を掲げて立っている人を見かけたことはないだろうか。
 もしかしたら、その人から雑誌を買ったことがあるという人もいるだろう。この『ビッグイシュー』という雑誌はホームレス状態の人が販売をしている。このような仕組みはどのようにして生まれたのだろうか。

 『社会を変える仕事をしよう ビッグイシュー 10年続けてわかった大事なこと』(佐野章二/著、日本実業出版社/刊)は、有限会社ビッグイシューを設立し、共同代表に就任している佐野章二氏が、『ビッグイシュー日本版』を事例に、ホームレス問題をどのように仕事にしていったのか、社会的企業の起業、組織、経営、活動と仕事、これからの社会について解説する。

 そもそもビッグイシューという会社はどんな会社なのかというと、雑誌『ビッグイシュー日本版』の販売を通して、ホームレス状態の人々に仕事をつくり、自立を支援する事業を行っている会社のことだ。
社会問題をビジネスの手法で解決する「社会的企業」の日本での先駆けともいえる存在で、具体的には、ホームレス状態の人たちに雑誌を販売の仕事を提供する。ホームレスの人に、雑誌を売る販売者になってもらうということだ。
 設立10年の間に『ビッグイシュー』の販売者となった人は延べ1427人、現役販売者1323人、新しい仕事を見つけて就職した人は162人になる(2013年3月末現在)。創刊後、累計571万冊の雑誌を売り、販売者に8億2千万円の収入を提供している。

 ビッグイシューはホームレスをビジネスパートナーにしている。単なるボランティアではなく、お金を生み出す仕事にしているのだ。このように「社会問題の解決をはかる活動を、いかに仕事として成立させるか」という問題を解決しようという考え方はどのようにして実現に向かうのだろうか。
 いま、社会のなかで、失業、病気、障害、差別などによって、人や社会のつながりの関係からはじき出される人々が増えている。「社会的排除」と呼ばれる社会問題だ。ホームレスの人もこの問題に含まれる。このような問題があると、これらの問題を解決しよう、排除された人々を社会に包摂しよういう活動が生まれる。
 これには2つあり、1つはその問題で困っている当事者の人たちが集まってできるセルフヘルプの「当事者グループ」。もう1つは、社会が問題を解決できずに困っているので、地域などで市民が集まって問題を考えようとしてできる、ビッグイシューのような「問題解決グループ」だ。このような活動があって、次にそれが仕事になっていく。
 社会には数多くの問題があり、問題があればある程、活動が生まれる。そして多くの問題解決がなされるために仕事がつくり出される。しかし、いまの日本には問題が山積みながら、まだまだ活動も足りず、それに伴う仕事も不足している状態だ。裏を返せば、活動や仕事のチャンスにあふれているとも言えるということだ。

 ボランティアからもう一歩踏み出したい、社会問題を解決する活動を仕事にしたいという人は多いはず。本書はそういった活動や仕事を始めたい人の背中を押してくれる一冊だ。
(新刊JP編集部)



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