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子孫繁栄のための植物の驚くべきメカニズム

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 2009年には流行語大賞にノミネートされた「婚活」という言葉。これは幸せな結婚をするための相手を求めて活動することだ。
 実はこの婚活をしているのは人間だけではない。植物も婚活しているのだ。

 『植物のあっぱれな生き方』(田中修/著、幻冬舎/刊)では、植物のどんな逆境でも与えられた命を生ききるための驚くべきメカニズムを紹介する。

 多くの種類の植物は、1つの花の中にオシベとメシベをもっており、オシベの先端にできる花粉がメシベにつけばタネができる。そのため、同じ花の中で、オシベの花粉をそばにあるメシベにつければ、タネはできる。だから、子どもをつくることは多くの植物たちにとって、そんなにたいそうな大仕事ではないと思われるが、そうではない。生き物が自分たちの命を次の世代へ確実につないでいくためには、いろいろな性質の子どもが生まれた方がいい。植物も同様で、1つの花の中で、自分のオシベの花粉を自分のメシベにつけてタネをつくることは避けたい。

 花の構造を見ると、メシベはオシベより背を高くして上に位置し、同じ花の中にあるオシベの花粉がつくことを避けている。一方、オシベはオシベで、同じ花のメシベに花粉がつくことを避け、別のメシベに花粉をつけたいので、メシベからそっぽを向くように反り返って離れている。このように、同じ花の中に生まれてきたオシベとメシベは、なるべくお互いが接触しないように位置している。いわば「家庭内別居」のような状態だ。それは子孫が繁栄していくための術であり、それを植物たちは自然に心得ているのだ。

 子どもを残すために植物は、オシベの花粉を別の株のメシベに出会わせたい。しかし、婚活といっても人間のように出会いの場を求めてウロウロと動き回ることは植物にはできない。そのため、花の構造など、知恵と工夫が植物には込められている。
 人間が生きるための仕組みや能力を身につけているように、植物も生きるための独自の能力をもっているのだ。植物のもつメカニズムに驚かされる一冊だ。
(新刊JP編集部)



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