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米副大統領 安倍氏に対中緊張緩和に日本から動くべきと忠告

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 参院選後の世論調査で、内閣支持率は発足以降最低となった。国民は、選挙大勝後の安倍政権の「変節」と「裏切り」に気づき始めている。外交でも、TPP(環太平洋経済連携協定)でも社会保障でも、支持者に向かって大言壮語しておきながら、実際の中身はすべて骨抜きになっている。

 不信は8月15日に向けてピークを迎えるかもしれない──。「主張する外交」を掲げる安倍首相のモットーは、「中国に屈しない」マッチョな外交姿勢だった。

 参院選中には、ネットの討論番組で「(中国側は)尖閣問題で一定の条件をのまなければ首脳会談はしないといっている。それは間違っている」と中国側の要求を暴露して厳しく批判し、尖閣諸島をにらむ“最前線の島”石垣島を歴代首相では初めて訪問して「領土を守る」と強調して見せた。

“尖閣問題で譲歩してまで、中国との首脳会談をやる必要はない”というのが一貫した姿勢で、だからこそ、中国や韓国による過剰な日本叩きに反感を覚える人々は、安倍首相を熱烈に支持した。

 安倍首相は参院選に大勝して政権を安定させると、間髪いれずに7月25日から東南アジアを歴訪、いよいよ「中国包囲網」づくりに本腰を入れるように見えた。

「中国も韓国も、いずれすり寄ってくる。そう心配することはない」──外遊出発の前夜、首相は側近記者たちと祝杯を挙げ、自信満々にそう豪語したという。熱烈な支持者も「安倍さんなら必ずやってくれるに違いない」と外交成果を夢にも疑ってはいなかったはずだ。

 ところが、安倍首相は外遊先で支持者たちが耳を疑う発言を繰り出した。

「中国の首脳と親しく話し合える日を期待している」(7月26日・シンガポール)
「なるべく早く首脳レベルの会合を持ちたい」(同27日・マニラ)

 中国包囲網どころか、中国に向けての熱烈なラブコールだ。さらに帰国すると、外務省の事務方トップの斎木昭隆・事務次官を訪中させた。

「お互いに関係を改善する努力をすべきだ。前提条件を付けずに、外相・首脳同士が胸襟を開いて対話を進めていく前に、事務当局同士が話をしていくことが大切だ」

 明らかに日中首脳会談の実現に前のめりになっているのだ。

「総理は9月5日からロシアで開かれるG20首脳会談で安倍─習近平会談をセットするよう斎木次官に指示を出した。会談では尖閣問題には一切触れず、玉虫色にしておく方向で着地点を探っている」(外務省中堅)

 一体何が起きているのか。カギを握るのがシンガポールで行なわれたバイデン米国副大統領との会談だ。

 日本の外務省は「日米同盟強化の重要性で一致した」と発表したが、米国側はもっと踏み込んで、〈バイデン副大統領は安倍首相との会談で、「すべての関係者が地域安全保障で緊張を減じる措置をとるようにと強調した」〉(バイデン・オフィス)と発表している。

 文面上は日中双方に自制を求めたように読めるが、外交上はそうではない。外務省国際情報局長や駐イラン大使を務めた外交評論家の孫崎享氏が指摘する。

「“すべての関係者”というのは会談相手の安倍首相に向けられた言葉で、表現こそ柔らかいが、“日本側から中国との緊張を緩和する方向に動きなさい”という強い忠告です」

※週刊ポスト2013年8月16・23日号



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