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年商3億円!“海の手配師”の仕事

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静岡県三島市に、“海の手配師”との異名をとる会社がある。世界中の海でユニークな海洋生物を捕獲し、水族館や博物館などに提供する卸・販売会社「ブルーコーナー」だ。スタッフ数は16人と小規模ながら、なんと年商3億円を稼ぎ出す。同社が扱う海洋生物は、約3600種類! もちろん大人気の深海生物も例外ではない…が、捕獲と輸送の困難さは、一般魚の比ではないようだ。

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「元気な状態で捕獲し、輸送できれば、水族館での寿命も延びやすくなるのですが、深海生物はそもそも元気な状態で捕獲するのが非常に難しいのです。たとえば底引網で捕獲する際、通常の漁なら50分かけて引くところを20分に短縮し、網の中の生物がお互いにからまったり、刺さったりするのを防いでいます。それでも、水面に引き上げたときには8割近くが死んでしまうんです」

そう話すのは、同社代表の石垣幸ニ氏。生き残った2割も水圧の激変により目が飛び出したり、お尻から腸が出たりと惨憺たる有様に…。

「でも、注射器を使って空気を抜いてやれば元に戻ることもあります。良好な状態で輸送するには一刻も早く延命処置を施し、十分な酸素に満ちた冷水プールに入れなければなりません。処置にかけられる時間は30秒、まさしく時間との勝負です」

しかし、深海生物に限らず、どんな生物であっても一番緊張するのは“輸送”のときだと石垣さん。

「水族館に展示するような珍しい魚の輸送は、これまで誰も手掛けたことがなかったのです。そこで、生態をヒントにしながら、死ぬ原因、弱る原因と思われる要素を取り除き、長時間の輸送に耐えられるように試行錯誤を重ねています」

最近はアメリカ、ヨーロッパ、中東、中国、韓国、東南アジアなどの水族館との取り引きも活発化している同社。日本で捕獲した海洋生物を特殊な活魚トラックで輸送したり、飛行機に積んで送り出したりするケースも多いという。良好な状態で輸送できる技術があるからこそ、遠く離れた場所の魚が、各地の水族館で楽しめるというわけだ。

一方、石垣さんには「沼津港深海水族館」の館長としての顔もある。

「謎多き深海のことですから、面白さを重視で3カ月に一度は企画を変更し、ミュージアムショップも展示の一環になるようユニークなものを集めています。また、周辺ホテルや交通機関と連携して特別プランを作るなど、地域との連携も進めているんですよ。ゆくゆくは世界中から沼津に人を呼び、地元の活性化に貢献できたら最高ですね」

あまねく海洋生物を採集する手配師として、また深海水族館の館長として、世界と静岡を結ぶ石垣さんの挑戦はまだまだ続く。

矢口あやは=取材・文
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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