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株式会社立学校潰しなんて下村文部科学大臣が知ったら怒ると思いますよ!

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2002年に施行された構造改革特区制度のなかで学校特区として株式会社立の広域通信制高校がスタートしています。現在株式会社立高校は20校以上、2万人の生徒さんが活用されている中で、文部科学省からの法律違反とも思える規制強化、通信制高校潰しとも思える通達が発信されている模様です。(詳しくは東京プレスクラブ 構造改革とそれを阻むもの 参照のほど)

本日は構造改革、規制緩和に詳しい慶応大学教授の岸博幸さんに文科省の株式会社立高校潰しについてお話をお伺いします。

記者
文科省による株式会社立高校潰しが横行しはじめているようです。
はじめにそもそもこの株式会社立高校は2002年小泉政権時の規制緩和よりスタートしているものでしょうか?


もともと規制改革の手段として構造改革特区という制度が作られました。この構造特区というのは日本全国の規制緩和はむりなのでまずは地域を限ってそこで規制を緩和してそこで効果を見て全国に広げて行くという制度です。この構造特区の対象として株式会社が学校をやるということです。いまの文科省の行政のもとでは学校法人か国公立しか学校を設置することは出来ない。これを特区の中では株式会社が学校を設置出来るようにするということが認められています。それ以来20校くらいが学校をやっております。通信制が多いのですがすでに生徒は2万人を超えております。すでに法律上は設立が可能になっていますから申請をすればすぐに出来るはずです。ここで大阪府市が構造改革特区で株式会社による通信制の高校を特区で始めようとして申請をしました。6月の末に構造改革特区の応募があったものに対しての結果発表がありましたがそこにはのっていなかった。今後追加で採択になる可能性はあるのですが現段階では採択されていないという不思議な結果になっています。
法律上改革特区の中で株式会社立学校が出来るということになっているのに採択されないという本当に不思議な状態です。
記者
認可が下りなくなっているどころか東京プレスクラブの調べによりますと、2002年の構造改革特別区域法に基づいて2004年前後から株式会社立の学校が出来はじめます。そして2~3年ほど前から文科省をはじめとして規制、もしくは規制に準ずる通達のようなものが株式会社立の通信制学校に到着しはじめている様子です。特に問題なのは添削指導やテストなどは株式会社立高校が設置されている特区内でやってくださいと書かれています。これはそもそも論でいうと通信制学校はやってはいけないということですよね。

通信制学校は居住しているところにあまり関係なく学べるメリットがあります。これを構造改革特区という限られた地域の中でしか試験や添削をしてはいけませんよというのは通信制の高校の意味がなくなってしまいます。しかもこれを行政指導でやっています。構造改革特区の法律では株式会社の学校で通信制高校をやってもよいですとなっています。ただし文科省は最初から嫌々やっているのでしょう。彼らは学校法人の世界を守りたい。その中で株式会社の学校で悪い評判を立てられるのも困るわけでしょう。通信制の学校なのに設置地区で添削やテストをやらなくてはならないという事実上特区の中で株式会社立の学校がやれるようになったのをもとの学校法人の世界に戻したいと思っていると(邪推かもしれませんが)考えざるを得ない通達があります。その延長で大阪府市の提案で通信制高校をやろうという提案を、どぶろくをやろうとか他の特区の提案は通っているのにこの通信制高校の特区申請は通らなかったということです。
記者
お酒は作ってもいいのに学校はつくってはいけないわけですね?

そのとおりです。文科省が構造改革特区で株式会社立学校をやらせたんですが嫌々だったし徐々に元に戻して行こうということです。こういった通達、行政指導で事実上通信制高校が出来ないようにしてもしかしたら大阪府市の申請をも却下しようとしているのかもしれません。
記者
規制改革、構造改革が安倍政権、成長戦略の一丁目一番地だと言っている割にはどうしてこんなに消極的なんでしょうか?

これは経緯があった話でここ10年くらいで特区で株式会社立の学校が認められた、でも文科省は嫌々だった、時間をかけて規制強化、通達を出してその延長で大阪府市の教育特区申請も採択されていないのでしょう。
残念ながらこの安倍政権、成長戦略の一丁目一番地は規制改革だとおっしゃっている中での出来事です。

しかも、現文部科学大臣は下村博文さんです。私が尊敬する政治家の一人ですがその下村博文さんが下村博文の教育立国論という本を出しています。下村さんは文部科学行政に非常に精通されている方です。この中で彼はなんと言っているか、簡単に読み上げます。
「日本の教育はつい最近まで寝ていた。ところが「特区」をひとつの契機に、文部科学省も動かざるを得なくなった。~中略~「特区」によって株式会社の参入や私立学校法人の設立要件の緩和、こうした機運を繋げて行かなければならない。特区に中心的に関わった私の政治家としての仕事は、いよいよ本格的なこの国の教育改革に着手するという段階に入ったのである。」(119pあたり)
こうおっしゃっている方が現文部科学大臣です。それなのに足元でおきていること、この大阪府市の学校特区の申請は当然安倍総理や下村文科大臣はご存じないと思います。結果的にこれが保留なのか却下なのか解りませんが現段階では他の特区申請は認められているのに大阪府市の学校特区申請はこれだけ結果が示されていません。これは安倍総理の規制改革が一丁目一番地という方針にも反しますし、担当大臣、下村文科大臣の「教育立国論」でおっしゃっていることとも正反対になってしまっています。この局長通達なんてご存じないのではないでしょうか?
これがもし文部科学省、文科省官僚の勝手な差配でやってしまっているとすればこれは許しがたい事態です。是非、政治主導で正しい方向へ持って行ってほしいという気がします。
記者
今回入手した通達をみてもなんだか話の中に“生徒不在”ですよね?

生徒不在だし政治の現場はこのことを知らないと思います。たとえばこの局長名の通達なんか政治家は知りませんよ。
要するに安倍総理はただしい正しい方向を仰ってる、下村文科大臣も2010年に発行された自著「教育立国論」で正しいことを仰っている。そういう政治家が文部科学行政を司っているのに結局官僚が政治家にしっかり説明しないまま通達をだしたりして一番大切な学側の子供たちの教育機会を潰してしまっているというのは本来もっと多くの人が問題視しなくてはならない重大な事件ではないかと思います。
下村大臣がこのことを聞いたら怒ると思いますよ!

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記者:

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