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乙武洋匡「ネット選挙解禁で、選挙報道も変わるはず」

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乙武: 前回の衆院選の際、僕はTwitterやブログなどで積極的に「選挙に行こうよ」と呼びかけていました。ブログに書いた「選挙に行かない君へ」という記事もTwitterなどで拡散され、それなりの手応えを感じてもいたんです。…ところが、いざフタを開けてみれば非常に低い投票率で、けっこうショックだったんですよね。

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津田: うーん、とくに若年層の投票率は今回も低かったですねえ。おそらく、“投票に行っても、どうせ何も変わらない”という意識がはびこっているからなのでしょうが。

乙武: 僕は二十歳になってから1度も投票を欠かしたことがないんです。でも、最初はそれほど政治に関心があったわけではなくて、両親の影響でした。子どもの頃から、選挙のたびに投票所へ連れて行かれていたので、僕にとって投票に行くのは当たりのことだったんです。でも、世の中そういう人ばかりではありません。やはり、こういうのはめげずに呼びかけていくしかないのでしょうか。

津田: 選挙が政治を大きく変えることは間違いないですが、僕はそれよりも、政治というのは365日、24時間、常に自分たちの日常のなかにあるということを、もっと実感してほしいですね。そのうえでたとえば、自分の住んでいる選挙区の議員の政策などを調べてみて、異論があるならそれをどんどんツイートしてみればいいと思う。

乙武: おお、なるほど。たしかにそれだって、立派な“政治参加”ですよね。

津田: あるいは、何か困っていることがあるなら、TwitterでもFacebookでもいいから、議員に直接伝えてみること。実際に議員を“使ってみる”といい換えてもいいですね。実際、2010年に都条例で“非実在青少年(※18歳未満と認識できる創作上のキャラクター)”に規制がかかった時には、ネットから盛り上がった異論反論が議員を動かした事実もあるわけですから、絶対に無駄ではない。

乙武: そうですよね。これからの時代は、ネットを介して積極的に政治参加できるようになる。ということは、「政治参加する人」と「しない人」の差が、ますます開いていくのかもしれません。

津田: たしかにITリテラシーの差が、そのまま政治参加の度合いの差につながることはあり得るでしょうね。ただ、そう難しく考える必要もなくて、単に「演説の際に握手してくれたから」なんて理由で票を入れるよりは、ネットで見た政策に惹かれた人に投票する方が、まともな政治になるんじゃないかと思うんですよ。

乙武: そうして有権者の興味が政策に向いていくことで、メディアの報道姿勢も変わっていくといいですよね。よくいわれてきたように、日本のメディアは「政策」ではなく「政局」の報道ばかり。でも、これはそうでもしないと目を向けてこなかった有権者側の責任でもあると思うんです。このあたりも、有権者が政策に興味を持つことで変えていくことができたらいい。

津田: そういう意味では、池上彰さんのような人がカギになる気がしますね。昨年の衆院選では、政策に焦点を絞った池上さんの選挙番組が、しっかり視聴率を取っていたわけですから。

乙武: たしかにそうですね。池上さんは論客として自分の意見を発信するのではなく、様々な立場の意見を並列的に紹介して、比較しながら解説するスタンスだから、僕らも耳を傾けやすい。若い世代が政治に興味を持ち、積極的に参加できるようにするためにも、有権者が様々な角度から情報を得られる仕組みづくりが、今後ますます必要になってきますね。ネット選挙解禁が、その契機となることを願って止みません。

(構成:友清 哲)

【今回の対談相手】
津田大介さん
1973年、東京都生まれ。早稲田大学・社会科学部卒。IT系のライターとして文筆活動をはじめ、現在はジャーナリストとして多方面で活躍中。メディアプロデューサー、メディア・アクティビストとしての顔も持つ。2012年末には様々な問題の是非についてネット上で投票を募る「ゼゼヒヒ」をオープンした
(R25編集部)

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