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「無線操縦できる世界最小ヘリコプター」は携帯の技術で進化

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 発売前から予約が殺到しているおもちゃがある。購入者は主に30代、40代の男性だ。大人の男性が夢中になるおもちゃとはなんなのか。その開発者に取材した。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

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 その商品は株式会社シーシーピーが6月8日に売り出した「ナノファルコン」。赤外線で操縦できる室内で楽しむ小型のヘリコプターである。全長65ミリ、重さ11グラムというその大きさは「無線操縦できる世界最小のヘリコプター」として3月にギネスにも認定された。日経新聞に取り上げられるや、「どこで買えるのか」と中年男性からの問い合わせが殺到、記者が確認した段階では「アマゾン」では発売前に「売り切れ」となっていた。

「『ナノファルコン』の開発には10ヵ月かけました。おもちゃとしては異例の開発期間の長さです」

 と語るのは、同社企画開発担当の四釜勝彦さん。今回の開発は壁ともいえる「ボディの大きさ10センチ」を切ることを目標に進められ、四釜さんはパートナー企業の中国の工場に長期出張を繰り返し、ラストの追い込みには現地に1ヵ月間も泊まり込んだとか。

「試作機を作って微調整する繰り返しです。1号機はスピードが速すぎて操縦不能でした(笑)プログラムでモーターの回転数を制御したり、落ちても壊れないボディの耐性の追求、ブレード(羽)の角度なども細かく調整していく。ヘリコプターはバランスが大切なので、全部を少しずつ調整しながら進めていくので手間がかかるのです」

 小型化の決め手は、意外にも携帯電話の進化にあった。

「携帯がどんどん小さくなっていって、そこで使われている部品や技術がおもちゃにも流用できるようになってきたんです。『ナノファルコン』には三個のモーターが付いていますが、尾翼にあるテールモーターは携帯のバイブレーション部品の技術が流用されています。また携帯の充電池であるリチウム・イオン・ポリマー電池も『ナノファルコン』に搭載しています」

 ただ小さくするだけでなく、カーブするときの反応など操縦感覚にもこだわった。開発段階でやりこんだだけあって、四釜さんの操縦技術は神技に近い。撮影のため「ここまで来てホバリングで停止してください」とお願いするとピタリとそこに止まる。

「無線ヘリの入門機として価格も5000円以下に抑えて、初心者でも操縦を楽しめるようにしました。オフィスで疲れたときに、息抜きでデスクで簡単に飛ばしてなごんでもらえたら」

 同社が2006年に初めて「室内で遊ぶヘリコプター」として発売した「ハニービー」は、小学生のころラジコンヘリなどとうてい手が出せなかった「元小学生男子」である年配の男性を中心に人気になり、大ヒット商品となった。以降、他メーカーも参入して「「インドアヘリコプター」というおもちゃのジャンルもできた。技術者の努力とイノベーションによって高嶺の花だった製品が消費の手の届く範囲になるというのは、かつての家電大国だった日本の在り方に通じる。そこがまた大人の男の心をくすぐり、今回のヒットにつながっているのではないだろうか。

 四釜さんの次の目標は、「大きさをもう5ミリ小さくすること」だそうだ。



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