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海外在住者から見た日本人の異常な労働環境

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 長時間労働や休日出勤、サービス残業、そして過労死など、日本人の過酷な労働環境は、ここ数年大きな問題となっています。
 この状況に警鐘を鳴らしているのが『日本に殺されず幸せに生きる方法』(あさ出版/刊)の著者、谷本真由美(@May_Roma)さんです。谷本さんは、本書のなかで「今すぐ働き方を変えないと、つらく恐ろしい未来が待っている!」として、日本人の働き方と日本の労働環境の異常さを指摘しています。
 では、私たち日本人の働き方は、どんな点が、どのくらい異常なのか。谷本さんご本人にお話を伺いました。

―本書『日本に殺されず幸せに生きる方法』についてお話を伺えればと思います。
本書で谷本さんは日本人の働き方の異常さについて触れられていますが、象徴的だったのが海外と日本の休暇に対する意識の差です。日本人は仕事を休むのを「申し訳ない」と感じてしまう傾向があるかと思います。このような意識の土壌にはどんなものがあるとお考えですか?

谷本「一番の問題は、日本の人は心も体も定期的に休ませなければ、仕事のパフォーマンスが低下してしまう、ということを十分理解していないことです。雇う方も働く方もこれを理解していないのです。例えば、機械ですら休みが必要です。24時間365日動かしていると部品が摩耗して壊れることがあります。時々は止めたり、オーバーホールしないと絶対に壊れます。機械だって壊れるのだから、生き物ならなおさらです。これは、競争馬を飼育している方や、牛や馬を使って物を運搬している方なら良くわかるでしょう。馬や牛だってあまりにも過酷な労働をしたら死んでしまうのです。人間だって同じです。最高のパフォーマンスを発揮したいなら、定期的に休んで、頭も体も休ませなければならないのです。
休むことは決して申し訳ないことではありません。なにせ、プロの殺し屋であるゴルゴ13だって時々休んでいるのです。自分の体調や私生活のことを把握し、適宜休むことができる人こそプロなのです。

また、働く人の疲れ具合や私生活の状況を把握しないで、限界を超えて働かせる様な管理者は、一言で言えば「素人」です。限界を超えた人は良いパフォーマンスを発揮することはできません。さらに、私生活に問題を抱えていたら良い仕事はできませんので、解決する時間や機会を提供することは良い管理者の基本です。残念ながら日本の管理職には、それが「プロの管理職」の仕事であることを理解していない方が少なくないのです」

―日本人の働き方に関して、谷本さんが最もおかしいと思う点はどのようなところですか?

谷本「やはり、労働とは単なる対価の交換であることを理解していない人があまりにもお多いことでしょう。労働とは自分の能力や時間をお客さん(=雇用者)に売り、対価を得る活動にすぎません。単なる商取引であり、人生をかけるようなものではないのです。それを理解していない人があまりにも多いのです」

―長時間労働や休日出勤など、“日本的な働き方”を続けていくと、いずれ介護の分野で大きな問題が起こるとしていますが、想定される問題としてどのようなものが挙げられますか。

谷本「長時間労働や休日出勤が当たり前の世界では、介護をしながら仕事することはほぼ不可能です。となると、要介護の家族を抱えた人の多くが介護のために仕事を辞めることになります。在宅で介護をしながらフリーランスで稼ぐことができる人、というのは多くはありませんから、介護のために仕事を辞めてしまうと、その人の収入が断たれますし、一旦仕事を辞めてしまうと再就職は困難です。生活するのに十分なお金が入ってこなくなる上、介護には思った以上にお金がかかります。介護保険がすべてをカバーするわけではないのです。
生活保護を受ければ良いじゃないか、という人もいるかもしれませんが、生活保護を受けるには財産をはじめ様々なハードルがあるので簡単なことではありません。それで何が起こるかというと、介護人の方だけではなく、介護される人、さらにその家族も共倒れになってしまうことです。最悪の場合は一家心中です。今でも時々ニュースで介護されている人が自殺した、介護している方が年老いた親を引き連れて無理心中というニュースを耳にすることがありますが、それがもっと増えるわけです」

―海外と比較すると日本人の働き方のおかしさは明らかですが、働き方を変えるというのは個人レベルではなかなか難しいことでもあります。今の日本で幸せに生きるために、個人としてどのような試みをしていけばいいとお考えですか?

谷本「第一には、需要があり、食いっぱぐれのない技能やノウハウを身につけることです。替えの効かない人材になれば、多少ワガママな働き方をしても職場で怒られることはありません。芸は身を助けるのです。
第二には周囲に流されないことです。おつきあいで嫌な飲み会にいったり、ゴルフにいく回数を減らしたりするだけで、体や心の疲れを防ぐことができます。流されないことで作った自分の時間を使って、疲れを取ったり、芸を身につけるわけです。
第三には、仕事が人生のすべてではないと理解することです。仕事とはあくまで対価を得る活動に過ぎず、人生のすべてではありません。職場で評価されなかった、自分は正社員ではない等のことで落ち込んでしまう人、鬱になってしまう人がいますが、そんなに悩む必要は一切ないのです」
(後編に続く)



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