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訴えられる「騒音」はどれぐらい?

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「ルームシェア」や「シェアハウス」など、近頃、友人との同居をしている人も多いみたいですね。しかし、数人で楽しく暮らしていると、ついつい話し声も大きくなってしまうもの。特に大騒ぎしていたわけではないのに、隣人から「話し声がうるさい」と苦情を受けてしまうなんて事態もよく聞きます。モメた結果、大家さんから「隣室に迷惑をかけるなら出て行け」と退去通告を受けてしまったりしたら大変。

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僕も学生時代に、騒ぎ過ぎて隣室の人に怒られたことがあります。騒音トラブルの難しいところは、人によって、「うるさい」と思う基準が異なることです。自分では、「この程度であれば問題ないだろう」と思っていても、隣室の人にとっては、耐えられないほどうるさい、ということもあり得ます。はたして、「どれぐらいうるさかったら騒音なのか」という法的なボーダーラインはあるのでしょうか?

答えは「YES」。ではそのボーダーラインをさぐっていきましょう。
  
法律上、わざともしくは不注意によって、人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなければなりません。また、通常、賃貸借契約書には、「他の入居者に迷惑を及ぼす行為をした場合には、賃貸借契約を解除する」との文言があると思います。そのため、騒音によって他の住民に迷惑をかけ、大家さんなどに何度も注意されたにもかかわらず、何ら改善しない場合には、賃貸借契約を解除される可能性があります。

ただ、ちょっとうるさかっただけで損害賠償を請求されたり、賃貸借契約を解除されたら、安心して生活することができませんよね。マンションなどは多数の人が入居し、共同生活をしている以上、ある程度の生活音は仕方がありませんし…。そこで、ちょっと難しい法律用語で、「受忍限度」といいますが、「この程度の音までなら我慢しましょうよ」というラインが決められているのです。

では、どの程度の騒音まで我慢すればいいのでしょうか。法律や国で定められている環境基準では、2車線以上の車線を有する道路に面していない住宅地では、昼間(午前6時から午後10時まで)は55デシベル以下、つまり小声の会話程度の大きさ、夜間(午後10時から翌日の午前6時まで)は45デシベル以下、つまり小雨の音程度の大きさなら、我慢すべき「受忍限度」とされています。逆に言えば、この数値を超えるような大きさの音は『騒音』というわけです。

実際、分譲マンションに住む夫婦が、上の部屋に住む幼稚園児が室内で飛び跳ねたり走り回ったりして騒音が発生し、自律神経失調症を患ったとして裁判を起こしたことがありました。裁判所は、「午後9時から翌日午前7時までの時間帯は、静粛が求められ就寝が予想される時間帯であるにもかかわらず、生活実感としてかなりうるさいと感じられる大きな音と、相当な頻度である」と認定して、慰謝料など約130万円の損害賠償を命じました。

 ところで、騒音で周囲に迷惑をかけた場合、犯罪となることはあり得るのでしょうか?法律では、「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」について、刑事施設への拘置(1日以上30日未満)や、罰金(1000円以上1万円未満)などの罰則があるとされています。また、継続的に音を出し続けた場合には、暴行罪が成立することがありますし、周囲を不眠症やうつ病などにさせた場合には、傷害罪が成立することも。実際に数年前、布団を叩いたり、CDラジカセで大音量の音楽を流し続けた結果、隣人に睡眠障害などの被害を与えたとして傷害罪により逮捕された人もいました。

隣人との騒音トラブルに発展してしまうと、お互い感情的になってしまい、解決はなかなか難しいもの。無用なトラブルを避けるためにも、日ごろから隣室への気遣いはお忘れなく!
(弁護士法人 アディーレ法律事務所 佐藤大和弁護士)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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