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【インタビュー】手塚治虫の息子が描いた新作小説は、東京の奥地を舞台にしたホラー&ミステリ!(前)

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 東京都の西に、東京都とは思えないくらいの豊かな自然に包まれた自治体がある。――檜原村だ。村域の9割以上が森林で、観光名所の「払沢の滝」は滝壺に大蛇が棲んでいるという伝説がある神秘的なスポットとして知られる。

 この広大な自然を舞台にしたある一作のホラー小説が、産み落とされた。
 作者は手塚治虫の息子であり、ヴィジュアリストとして活躍する手塚眞さんだ。
 手塚さんの新作『トランス 位牌山奇譚』(イラスト:緒方剛志、竹書房/刊)は、主人公の志藤渚左が、ある老婦人の愛犬を探すため、真っ向否定していた霊感占い師の「西に45キロ」というお告げ通りに西に45キロの位置に向かい、猟奇殺人事件に巻き込まれるというホラー&ミステリ。渚左は一体そこで何を見るのか?
 今回は作者の手塚眞さんにインタビューを行った。前編では檜原村との出会いやどのようなところに魅力を感じたのか、語っていただいた。

 ◇   ◇   ◇

―まず、本作のタイトル『トランス』に込めた意味を教えてください。

「トランスというのは、日本語にしたときにいろんな訳し方があるでしょうが、ホラー好きの僕は『憑依』とり憑いて別人格になる、というイメージです。これは宗教用語でもあって、たとえば巫女さんが神の前で踊る『巫女舞』、神様が取り付いて踊るというあれもトランスなんですね。だから広い意味で使えるということもあって今回選んでいますね。あんまり説明しちゃうとネタバレになってしまうので」

―本作の構成は、これまで暖めてこられたものですか、それとも今回新たに構想されたものですか。

「新たに考えたものです」

―本作は構想から執筆終了までどのくらい時間がかかっているのでしょうか。

「最初の思い付きからは半年くらいでしょうか。書き始めてからは速かったです。1週間くらいです」

―体験、実話のエピソード(以前、夢で見たまで含む)は作中にありますか。

「作中には特にはないんですが、取材している間にいろいろと偶然でつながっていくこととかあったんです。一番は舞台になった場所(都内から西に45キロ)をなんとなく思いついて、そこまで自分で実際に行ってみたら、まさに自分が思っていた舞台にどんぴしゃの場所だったということ。それが何よりも大きい。今作の舞台である檜原村というところにいけた、というのが書くうえでかなり大きなモチベーションになりました」

―檜原村が“自分が思っていた舞台にどんぴしゃだった”とおっしゃられましたが、取材をしていて、檜原村に行き着くまでの中でのエピソードがあれば教えて下さい。

「物語の中でトンネルが重要な要素なんですけど、檜原村で理想的なトンネルを見つけたときには興奮しましたね。中は真っ暗で、踏み込むのに勇気が入りました。もちろん、危険も怖いこともありませんでしたが」

―この物語において、檜原村という土地が物語の雰囲気を決定づける大きな鍵を握っているように思いました。私も行ったことがありますが、東京とは思えない自然溢れた場所でした。手塚さんが檜原村で「ここだ!」と思った理由を教えていただけますか?

「映画のロケなどでも『ここだ!』とピンと来ることはあるのですが、理由はわからないというか、直感みたいなものですね。「繋がった」という感覚です」

―本作で挿絵画家とのコラボの要素がありますが、事前に打ち合わせたこと、希望されたことはありますか。

「今回はなかったです」

―小説を書かれる際に取材を行うと思うのですが、取材をする際に気をつけることがあれば教えて下さい。

「まず土地にご挨拶します。実際には主要な神社や、土地にとっての聖地を回るのですが、檜原村はたくさんあって時間かかりました」

(後編に続く)



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