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近藤史恵『サクリファイス』シリーズ最新刊の魅力とは?

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 作家・近藤史恵さんの新刊『キアズマ』(新潮社/刊)の刊行記念サイン会が、5月8日、東京・有楽町の三省堂有楽町店で行われた。

 『キアズマ』は近藤さんの“出世作”とも言える『サクリファイス』シリーズの最新刊。自転車ロードレースを題材にしたこのシリーズだが、『サクリファイス』とそれに続く『エデン』、『サヴァイヴ』がプロのロードレースチームを舞台としていたのに対して、この作品では大学の自転車部が舞台となっている。

 大学一年生の主人公、岸田正樹は帰宅途中に自らが通う大学の自転車部の櫻井・村上とトラブルになり、現場から逃げようとしたところで事故に巻き込まれ、村上に大けがを負わせてしまう。
 責任を感じた正樹は、自転車部の部長である村上に「自分にできることならなんでも言ってほしい」と償いの気持ちを伝えるが、その言葉が仇となり村上の穴を埋める形で自転車部に入ることに。

 最初は嫌々ながらも、徐々に正樹は自転車やロードレースの魅力に気づき、それとともに実力を伸ばし始める。チームのエースで抜きんでた実力を持つ櫻井や他の部員とも打ち解けてゆくが、正樹は櫻井の性格にある陰の部分を意識し始め、やがて彼が持つ過去の傷を知ることとなる。
 そして、正樹の才能は開花。櫻井と肩を並べるようになった時、二人の間に事件が起こる…。

 それぞれに心に傷を持つ大学生たちが一つの競技に打ち込むことで生じるあつれきと葛藤、そして友情が、作品を通して鮮やかに描かれ、『サクリファイス』や『エデン』とはまた違う、近藤作品の新しい一面が見える。サイン会に詰めかけた多くの読者にとっても、この作品は新鮮に映ったにちがいない。
(新刊JP編集部)



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