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江戸人「武家顔は面長、町人顔は四角」 身分で容姿違った?

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「骨」は何より雄弁に語るのだという。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が東京・上野で開かれている注目の展覧会をレポートする。

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 頭蓋骨に、一本の筋がくっきりと走っています。これは、刀の「試し切り」の痕跡らしい。江戸人の骨の傷。見れば見るほど、痛々しい線です。

 不思議な足の骨も、展示されています。一般的な人骨より関節の数が多いのです。飛脚や駕籠かきなど、激しい肉体的労働に従事していた人の足とか。「ふくらはぎの筋肉が付着する骨に骨増殖が見られ、足の甲の骨には普通は存在しない関節(偽関節)ができています」(展示説明より)。まさしく、「骨は語る」。

 国立科学博物館では6,000個体を超える人骨やミイラを調査・保管してきました。その骨から明らかになってきた科学的知見をもとに、「知っているようで知らない」江戸人の身体、そこから見えてくる暮らしぶりをリアルに紹介する展覧会が今、開催されています。その名も「江戸人展-からだが語る『大江戸』の文化-」。

 頭蓋骨にぽこっと開いた穴。なんと、梅毒によるものらしい。梅毒の原因、微生物スピロヘータが骨を溶かした跡。「大江戸の人たちでは約50%の人がこの感染症にかかっていたという推計もあります」という説明書きには衝撃を覚えました。

 武家の人の顔は、面長で歯並びは悪い。町人の顔は、四角で歯並びはきれい。日常の食べものの固さ・柔らかさによって、顔の形に変化があらわれる。頭蓋骨は饒舌に語る。「身分」と「容姿」との関係が、そこから見えてくる。

 五感を刺激するこんな展示も。鉄漿--お歯黒の匂いを実際に嗅ぐコーナー。江戸時代、結婚した女性が歯を黒く染めた、あのお歯黒の匂いとは……「うっ」。嗅いだとたん、思わずのけぞる。

 鼻が曲がるような、奇妙な匂い。その成分は五倍子粉と鉄漿水。こんな不可思議な匂いの液体を、口の中に塗らざるをえなかった江戸の女たちに、思わず同情。既婚女性が白い歯をわざわざ黒く染めたのは、「二夫にまみえず」という誓いを「形」として見せるためでした。

 にこりと笑えば口もとに黒い歯がのぞく。今の私たちの価値観からすれば、ギョッとするようなグロい化粧。でも、「顔グロ」や「涙袋メイク」、「美魔女」なんていうのも、もしかしたら100年、200年後の人々に発掘された時、皆さん「ギョッ」とされるかもしれませんね。

 頭蓋骨の穴を見たり、奇妙な匂いを嗅いでのけぞったり。遠かった「江戸」時代が、至近距離になる。歴史的知識をお勉強するだけではなく、体感しながら学べる。これぞ、本当の「情報=インフォーム」。情報inform は、フォーム「形」を「イン」、つまり自分の中に取り込むことなのですから。国立科学博物館「江戸人展―からだが語る『大江戸』の文化―」は、親子で一緒に歴史を学びたい人にも超オススメのスポットです。

【会 場】国立科学博物館(台東区上野公園7-20)日本館1 階 企画展示室
【開催期間】平成25 年6 月16 日(日)まで



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