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『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

生活・趣味

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!


今回は『HONZ』からご寄稿いただきました。

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)」 川上 和人(著) 『amazon』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4774155659/

早くも2013年成毛眞のおすすめ本NO.1が登場してしまった。今年はこれ以上面白い本に巡りあうこともないであろうから、2013年の本読みは3月吉日にて終了である。あとは惰性でつまらん仕事をするなり、散歩代わりのゴルフに出かけるなりして、ヒマをつぶすしかないであろう。じつに残念なことである。ともかく本書はめったにお目にかかれない傑作なので買うべきです。以上です。それではみなさんさようなら。また来年お会いしましょう。

などと言ってられない事情がある。HONZを運営するためのサーバー費用を稼がねければならぬ。しかたがないので本書の中身をちょっとだけご紹介してみよう。とはいえこのレビューを読む時間があったら、いますぐ本屋に向かったほうが良いと思うのだが・・・ま、いいか、しつこいか。本書は鳥類学者が無謀にも恐竜を語った本である。これではタイトルどおりだ。良くできた本や映画は説明が難しい。つまり全文を引用したくなるわけで、説明するのも面倒だし、まあ黙って読めばいいじゃん、となってしまうのだが、気をとり直して少し引用してみよう。

序章は恐竜とはどんな動物かについての章だ。冒頭、恐竜には鳥盤類と竜盤類の2つのグループがあり、鳥類は竜盤類の中の獣脚類から進化してきたと考えられるという説明がある。ここまで17行。ここでちょっと面倒くさそうな本だと思ってはならぬ。18行目以降はこう続く。

ところで、鳥盤類や鳥脚類というグループには鳥という漢字が入っているが、系統的には鳥類とは関係ない。獣脚類も「獣」とついているが、哺乳類とは関係ない。豚と真珠くらい無関係なのだ。あまりにまぎらわしいので名づけ親には一言物申したくなる。ついでに、トゲナシトゲトゲとクロサギの白色型もまぎらわしさでは引けを取らない。みんなまとめて正座させて説教してやりたいものである。

はっ?!トゲナシトゲトゲ?!クロサギの白色型?!なんだそりゃ。丁寧に作りこまれた脚注を見るとトゲナシトゲトゲとはハムシ科の甲虫のことでトゲハムシの仲間なのにトゲがない種類であること。ペリカン目サギ科のクロサギには黒型と白型の2種がおり、クロサギをいう魚類もいるので注意されたい、とのことである。恐竜とも鳥類とも関係ないじゃん!ともかく著者はその紛らわしい名前を咎めるべく、彼らを正座させて説教したいらしいのだが、文章はさらにつづき・・・

さて、いきなり話がそれるが、ここで「恐竜」という言葉について、便宜上の定義をしたいので聞いてほしい。

わっ!!いきなり話がそれてしまったではないか。なんなんだ!そして、なんだか可愛らしい恐竜イラストの系統樹を使いながら、恐竜と鳥類について花鳥風月ならぬ花竜風月だのといった話が1ページつづいたあと。

次に恐竜を取り巻く動物との関係を見ていこう。恐竜が爬虫類であることは、発見当初から異論がなく認められてきたことだ。クラゲの仲間だと思っていたという人には、この本の内容は衝撃的すぎるので、ここで本を閉じてもらいたい。

た、たしかに、恐竜をクラゲの仲間だと思っている人は・・・それはともかく、もうお分かりであろう、本書を読むにあたってはいささかのスキも見せてはいけないのだ。本文も脚注もイラストも油断ならないのだ。つづく第1章でも

なにしろ、恐竜のことはわからないことだらけなのだから、鳥から類推するしかない。このことこそが、この本のテーマであり、ここから先の大前提である。今からでも遅くない、この大前提に賛成できない読者は、庭で飼育しているヤギにこの書籍を食べさせた末に、ヤギ乳でも飲み、健康増進に邁進すればよい。

普通の読者が庭でヤギ飼ってるかってえの、ハハハ!いかんいかんいかん、ちゃんとした科学読み物なのに1ページに1回は我慢していても爆笑してしまう。電車の中で読んではならない科学書などまさに前代未聞だ。著者はこの調子で268ページを駆け抜ける。しかし、本書がただただ楽しい科学書だからという理由だけで2013年No1などと言っているのではない。じつはイラストも本のデザインも素晴らしいのだ。

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

新生代に入って恐竜がいなくなったニッチを埋めた恐鳥類のイラストである。か、かわいい?!

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

恐竜もただただ獲物を威嚇するために吠えるだけでなく、縄張りの主張、求愛など複雑な音声コミュニケーションをしていたかもしれないというイラスト。なにこれ!か、かわいい?!

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

もし、夜行性の恐竜(獣脚類)がいたらこうなるというイラストだ。目がフクロウのように大きく、耳も発達している。か、かわいい?! もう、恐竜に萌え萌えである。

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