ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

泥酔の友人に脅され同乗し摘発 彼に何らかの罰与えられるか

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「泥酔の友人に脅され同乗行為。彼に何らかの罰を与えられないか」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 友人と居酒屋で飲んだとき、その友人が車で送っていくというのです。私は飲酒運転になるからと断わったのですが、「同乗しなければ借金をすぐに返せ」といわれ仕方なく乗ると、検問に引っかかりアウト。もちろん、罪は認めますが、私は友人に脅迫されたのです。友人に何らかの罪を与えるのは無理ですか。

【回答】
 あなたが処罰されたのは道路交通法第65条4項の同乗行為です。もし、交通事故でも起こしていれば、共同不法行為者として、友人とともに損害賠償責任を負うところでした。こうした危うい立場に追い込まれ、飲酒運転同乗者として処罰されるのは我慢できない気持ちは理解できますが、処罰を求めるのは難しいと思います。

 あなたがいう脅迫とは、人を脅かすことですが、むしろ「脅かして車に同乗させた」というところからは、強要の問題かと思います。脅迫も強要もともに刑法上の犯罪になりうる行為です。脅迫は単に脅かす行為であり、強要は脅かして人に義務のないことを行なわせることをいいます。しかし、いずれも「生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して、こわがらせ意志決定の自由を奪う」場合でないと犯罪にはなりません。

 あなたの場合、借金の返済を求められたわけですが、すぐに返せといわれたところを見ると、すでに返済期限が到来しているのだと思います。自由意思を奪う程の害悪の告知といえない期限のきた借金の返済を求める行為は、脅迫には当たらず、脅迫罪にも強要罪にもなりません。

 とはいえ、あなたを飲酒運転の同乗者として乗せた行為は、犯罪に誘ったわけですから、その教唆をしたものといえます。例えば、友人自身が同乗していなければ、あなたに対して同乗行為を教唆した共犯として処罰されることはありえます。

 しかし友人は同乗して、飲酒運転の核心的行為をしています。同乗行為は共犯ではありませんが、実質的には共通した犯罪です。飲酒運転の処罰で友人の悪性は評価されており、改めて処罰されることはないと思います。勇気を持って友人の飲酒運転を止めるべきでした。

※週刊ポスト2013年3月29日号



(NEWSポストセブン)記事関連リンク
自転車走行 ハンドル外に大きく荷物がはみ出すと道交法違反
自転車でイヤホン、ペット連れ、ハイヒール……は罪が重いぞ
年収の官民格差 バス運転手は公務員677万円、民間435万円

NEWSポストセブンの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP