正しい意見の述べ方

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正しい意見の述べ方

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

正しい意見の述べ方

ネットではまともな議論が行われないと嘆いている人々に、「正しい議論」の仕方を教えてあげる。正しい議論云々という人間ほど、自分に甘く、議論の仕方がわかってない。まあ、わかってないからこそ、気軽にそういう言葉を口にできるのだろう。

「汝みだりに神の名を口にするなかれ」と同じように、本当に正しい議論の難しさが分かっているなら、安易にそんなことは口にできないと思うのだけどね。

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前エントリと被るが、まずその議論に関する既存の意見は、議論の開始時点からすべて目を通さなければならない。これを「そんなの大変だ」と思う人間は、「正しい議論」をする資格がない。「正しい議論」には、コストがかかることを自覚すべき。

当然だが既存の意見と同じ意見を重複して述べてはいけない。さらに説明を求めるなら、きちんと要点を絞って質問なりをすべき。

その議論のテーマについて、自力でそれなりの分量の文章が書ける人間だけが参加すべき。ブログだったら、本来なら、それなりの分量のエントリを書いて反論すべき。twitterや相手のブログのコメント欄では、現実的にはそうはいかないだろうが、あくまで書こうと思えば書けるレベルでなければ、議論に参加すべきではない。

相手の意見に対して、とにかく反論したいというだけで、自分の中にしっかりした考えを持ってないない人間の発言は、一貫性に欠ける事が多い。元発言者のAに対してはA’という反論をし、Bに対してはB’という反論をしているのに、A’とB’が矛盾しているような人間は、まずは自分の主張をまともにする努力をすべき。また揚げ足取りなど論外。

自分の言葉で述べられない主張はする資格がない。「○○さんがこう言っていたが、それについてどう思うか?」というのは、ダメ。本に書いてあった、サイトに書いてあったというのも同様。情報として提示するのはいいが、議論には値しない。聞きかじりの知識を披露しているだけなのだから、そういう人間はしょせんスカスカな主張しかできない。

ひたすら「○○についてどう思いますか」と質問だけで攻め立ててくる人間も上記と同じ。ようするに自分の主張がないので、質問するしかない。きちんと自分の考えがあり、それを披露しつつ、その上で論点の違いなど必要な質問を相手にするならOK。

これも前エントリと被るが、「理解できません」や「納得できません」は反論になっていない。相手の意見の矛盾や飛躍をピンポイントで指摘しなければ反論にならない。延々と「納得できません」を繰り返していれば勝ちだと思っている人間は退場すべき。

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2chでよく「争いは同じレベルの者同士の間でしか起きない」というAA(アスキーアート)があるが、これはある意味真実。相手に反論する以上は、相手と同じ程度の文章量のそれなりに整った意見を述べられなければならない。ようするにそのテーマに一家言ある人間同士でなければ、論争をする資格がない。

理論の組立とかそういう点に立ち入らず、表層的な条件だけ列挙しても、これぐらいのハードルはある。たぶんネットイナゴはこのハードルを超えられない。そしてもし自分がこれらに当てはまると思うなら、議論の相手にされなくてもしかたないと自覚すべき。そういう人間が「正しい議論」などと口にするのは笑止千万。

あるブログの内容に反論したいなら、公開するかは別として自分でその反対の意見のブログを書いてみる事だね。その場合、反論ではなく自分の主張を書く。「Aさんがこういってるが、それは間違いで~」ではなく、「自分は~と考える、なぜなら~」とAさん抜きで語れなければならない。揚げ足を取ってるだけの人間は、これができないから、一度自分のレベルがどれぐらいか腕試しにやってみるといい。

俺は個人的には、無責任な思いつきを気軽に発言できるインターネットが好きだけどね。でも「正しい議論」をしたいという人もいるようだ。それはそれでもっともな話。でもそれならそういう人たちは、これぐらいのハードルを自分自身に課すべきだろう。いや、マジでこれぐらいは最低限必要。

正しい意見の述べ方

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年03月05日時点のものです。

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