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荻野目慶子とのバトルで筋肉痛

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 大人の男女の恋愛を描き続ける直木賞作家・井上荒野(「潤一」「切羽へ」)の同名原作を、恋愛映画に定評のある行貞勳監督(『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『春の雪』)が映画化した『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』。1月26日の公開に先駆けて、8日は舞台挨拶が行われ、主演の阿部寛と、体調不良で欠席した真木よう子を除く共演の女優陣、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、忽那汐里、大竹しのぶと行貞監督が登壇した。

――まずは一言ずつ、ご挨拶を。

阿部:すいません。なんか、すごく体が大きくて。男の役者さんは他にも出てるんですけど、僕一人がこんな贅沢な、豪華な。この映画は本当にここにいらっしゃる女優さん達の魅力が満載です。僕はこの女優さん達の魅力を引き出す、ある種のナビゲーターというか、毒をまく訳ですけどね。それぞれの家庭に、色んな波紋を贈っていくという役を今回やらせてもらいました。

小泉:私はこの映画の中で“愛を闘う女”環希という役をやらせてもらいました。愛を闘ったことが自分の経験の中であるような気はしますけど、勝ったことがないような気がしますので、この映画の中ではちょっとスカッとした気持ちを味合わせて頂けました。

野波:この映画は男女の可愛さだったり、可笑しさが沢山詰まってます。男性のちょっとどうしようもないなという所も可愛いなと思えるのが女性の器の大きさだと思います。そういう所を女性の方は感じて頂けたらなと思ってます。あと、私は信頼出来る行貞監督のもとでガツンと脱いでおりますので、大きいお尻がかなりスクリーンに一杯に映ると思います。新年早々ちょっと申し訳無いですが、楽しんで頂けたらなと思います。

風吹:この作品は色んなリキュールの効いた、ボンボンの詰まったチョコレートの箱のような気がするんです。皆さんに色んな風に味わって頂けたらなと思います。

忽那:私は一番、登場人物の中で年下の役を演じさせて頂いてます。私の役の麻千子は一生懸命、母の気持ちを理解しようと、大人の世界に足を踏み入れていくんですけど、もしかしたら今日観に来て下さってる若い方は一番共感して頂けたり、自分と照らし合わせて頂けるんじゃないかなと思ってます。

大竹:私は別れた夫を、女の元に走った夫をいつまでも思い続けるという、自分とはかけ離れた女性を演じているんですけど、映画の中に入って、その心境を辿ってみようと思ったら、“想う”ということだけで、人は幸せになれるんだなと思いました。男と女というのは可笑しくて、悲しくて、愛を欲しているんだなというのが演じてみてすごく分かりました。映画って出来上がったものを観て、監督を先頭にして、みんなと1カット1カット作ってきたんだなと思うのが、私の最初の感動です。ストーリーがどうこうよりも、みんなで作ったものを皆さんに観て頂けることが、すごく嬉しいです。阿部ちゃんはナビゲーターとか言ってましたけど、最初の1カット目の阿部ちゃんの顔を見て、この映画にかける情熱を感じることができるのは、映画ならではだと思います。

行貞:この原作になっている井上荒野先生の『つやのよる』を読んだ時に、他の人にやらせたくないと思った小説だったんです。僕も何本か群像劇を撮ってきましたが、新しい形の群像劇が作れるんじゃないかと思いました。ある意味、新しい形のラブ・ストーリーだと思います。井上先生のご本を読んだ時に、愛って曖昧で、形が無いものだけど、小説になった時にすごく浮き彫りになってたんですね。その様々な愛の形がこの映画の中では描かれてます。邦画の中でこういうものを理解してもらい、完成させるためには、ここに揃ったキャストの皆さんがいなければこの映画は出来なかったと思います。素晴らしい俳優に恵まれてますので、この映画を隅々まで、皆さんも女優や俳優の表情を楽しんで観て頂けたらなと思います。

――豪華女優陣を前に、どんな思い?

阿部:この映画に出れて幸せですね。なかなかお目にかかれない皆さんと、全員の方と一緒のシーンがあった訳ではないですけど、こういう一つの作品を一緒に作れたということを幸せに思ってます。岸谷さんとか羽田さんとか色んな男性の方これから出てきますけど、今日は一人ですみません。男は男で、弱くて、可愛らしい男をみんなそれぞれ演じてて。女性の方はそれぞれの強さとか、こんな顔を世の中の人に、映画だから見せるという、そこまで見せちゃっていいのかな?という爽快ささえ感じる演技をしてる。この作品に出れたことがすごく嬉しいです。

――最初に台本を読んだ時の感想は?

阿部:暗い男だなと思ったですね。この役すごく難しいだろうなって思ってたんですけど、いざ撮影現場に入って、監督と色々な準備をしていく中で、自転車に乗るとか、包丁を研いでみるとか、そういうのを監督と、撮影の前にリハーサルをしている中で、意外とこの男って人間味があって、実はすごく面白いんじゃないかなと思って。これを全力でやることが、かえってもしかしたらコミカルに見えたりする楽しさが出て来るのかな?と作品の中で気付いたんです。それはもうここにいらっしゃる皆さん、女優さんのすごく腕の、力のある所ですよね。

小泉:つやという女のある種の毒みたいな魅力なんでしょうけど、それに振り回されて、引き寄せられた男達、その男達の余波を受けて、女達がつやに対して何かを感じるという。なかなか無い物語ですよね。とても大人っぽくて、素敵だなと思ったので、やらせて頂きました。すごくワクワクしましたよ。

――そこに愛人の荻野目慶子さんが出てきてバトルを繰り広げるじゃないですか、バチバチと。あそこはどんな撮影だったのかなと。

小泉:あそこは長いシーンなんですけど、1シーン1カットみたいな感じの手法だったので、1回で終わるのかな?と思ったら、着物を3着用意されてまして、少なくとも3回戦はいくんだな、みたいな。で、キッチリ3回戦戦って、勝ったか負けたか分からないですけど、次の日とにかく激しい筋肉痛になりましたね。ケンカというのは普段使わない筋肉を使うんですね。

野波:全体については、それぞれのパートに分かれていて、それを阿部さんの演じる松生さんとつやが引っ張っていくような形で、なかなか日本映画ではない形だなと思って。大人の恋愛映画というか、愛についての映画って久し振りに見る気がするなと思ってすごく楽しみでした。私の役柄に関しては「濡れ場が3回ある!これは覚悟して臨まなくては」という気持ちでしたね。

――岸谷さんとのシーンはどうやって一緒に作っていったのでしょうか?

野波:岸谷さんとは初めての共演で、ほぼ初めましての感じで、そのシーンがあったので、最初はすごく恥ずかしいなと思ったんですけど、意外とニップレスをしてしまうと、自分が人間じゃないような気持ちになったりして、全然恥ずかしくなくなって。途中、深夜の撮影も重なっていたせいか、岸谷さんの隣で素っ裸で寝てしまったり(笑)。すごくリラックスして、岸谷さんはドーンと構えて下さって、何でも受け止めるという形で臨んでいて下さったので、私は身を預けるという形で演じさせてもらいました。

風吹:大人の話という、荒野さんじゃないと書けないお話だなと思いました。私に関しては完結して書かれていたので、他の方はどうやってやられるのかとても作品を楽しみに待っていた感じですね。

――阿部寛さんと大島で会うシーンは如何でしたか?

風吹:自転車が楽しかったですよね。私は思いがけず自転車に乗せて頂いたり。私の存じ上げている阿部さんと違う方かと思う程ゲッソリ、役作りをされていて。あの時、何kgぐらい絞られてたんですか?

阿部:今より10kgぐらい細かったと思います。

風吹:だから、その気合いというか、役への入り方、誠実な方ですよね。それだけでも素晴らしいなと思って。とても間近で良いお芝居を見させて頂いて、幸せな時間でした。それと監督はとてもリアリティを大切にされたんですよね。とてもリアルなんですけど、私がとっても老けてて、アレは私もうちょっと実物可愛いかな?って思ってたんですけど。

行貞:いや、あの、僕は…すみません、もしそうだとしたら。ただ、役に入られている感じはすごくあって、僕は風吹さんの役が一番女っぽいなと思って撮影してたんですね。特にラストシーンの浜辺のシーンは秀逸で。あの時は、もっと抑えた芝居をやりましょうということで風吹さんと合意してたんだけど、本番で全然違う慟哭が…まぁ、そういうシーンがあるんです。そこは注目して欲しいんですけど、僕にとって今まで演出した中でも、女優というのはこういうことを真実として表に出してくるんだなということをすごく勉強になったというシーンがありますので、ご期待下さい。

風吹:とても見応えのある、今までと違う、私も皆さんもそうですけど、違う面が見れて、とても楽しい映画でした。

忽那:正直、難しいなと思いました。大人の話で、私の回以外は先輩方の年齢の愛の様子を描いているので、理解し難い面がとても多かったんですよね。でも、一つ一つ全然違う環境の登場人物と、全然違う時の流れ方、それぞれの環境、どういう感じの描かれ方をするのかな?と台本を頂いた時から楽しみにしてました。

――大竹さんと親子役でしたが、共演されて如何でしたか?

忽那:大竹さんとはこの作品が初めてで、確かINが私達の一番最後のシーンだったんですよね。夜の道を仲良く腕を組みながら、笑い飛ばしながら一緒に歩いて行くシーンでしたから、ちょっと緊張した気持ちも最初あったのですが、大竹さんがとても気さくな方で、また現場ですごく謙虚な方で、それにとても驚いて、仲良く一緒に撮影させて頂きました。

大竹:今まで見たことがないというか、不思議な男と女の話だということ、でもそれが全部繋がっていて、私は最後の方なんですけど、その世界に入ってみたいというのと、行貞組は“映画を撮ってる”という感じに戻させてくれるので、行貞さんと一緒に仕事したいといつもすごく思っているので、嬉しかったです。

――阿部寛さんと元夫婦という役所でしたが、阿部寛さんとご一緒したエピソードは?

大竹:その1週間ぐらい前まで、蜷川さんのシェイクスピアのシンベリンで、婚約者同士の芝居をやってて、1週間後に千葉で阿部ちゃんに会ったら別の人になってて。えー!阿部ちゃん、どこ?みたいな。この間まで格好良く戦ってた人はどこにいるの?って、モソっという暗い感じで。阿部ちゃん、こんなになっちゃったんだ、みたいな。それにまず、現場に入った瞬間に感動したのと。阿部ちゃんはこんな格好良い感じなんですけど、トボケてて面白いので大好きです(笑)。

――阿部さんは如何でしたか?

阿部:大竹さんとこの映画で初めて仕事させてもらって、それまで事務所の先輩で,20年前から顔を合わせてたんですけど、1回も仕事してなかったんですね。去年は舞台の大竹さんもそうだし、とにかく今回の映像の大竹さんのつやを見る目が、男からしたら想像できないような、何とも言えない目をするんですよね。それを見た時にすごいなと思ったし、僕の痩せた姿を見て「大丈夫?」ってすごく心配してくれたのは、役作りに成功したなと思って、嬉しかったですね(笑)。

――これから映画を観る方にメッセージを。

行貞:女性の神秘的な部分というのはここに揃っている女優さん達が作り出したものです。僕らはもうそれを見ながら固唾を飲んで見守りながら記録したという感じなんですよね。そこは楽しんで観て頂きたいのと、男は大概ダメな人間しか出て来ないです(笑)。男は逃げているんですけど、男のそういう部分というのは多分、男性の方はみんなが頷ける部分だと思うので、それは許してやって下さい。この映画を観終わった後に、多分誰かと話したくなるような映画だと思うんです。大体、試写会の傾向で見ていると、男同士、女同士と分かれて話して頂いてですね、それで吟味した形で男女で観に来てもらうと、2回観に来てくれると嬉しいなと思ってます。

阿部:この映画って僕はハァハァいいながらやってたような気がします。それぞれの色々な愛の形が出てきますけど、見終わったら「愛って何だろうな?」と思ってもらえれば嬉しいですし、とにかく色々な人が色々な顔で色々なことを深く考えている映画です。上手くまとまりません、すみません。表情一つ一つそれぞれの女優さん、俳優さんの顔から色々想像してもらえる映画だと思いますので、何か心が貫くような良いものを持って帰って頂けると嬉しいと思います。

『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』特集ページ

(http://news.livedoor.com/article/detail/7298685/)
※表示 – 改変禁止 2.1 日本 (CC BY-ND 2.1)

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