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なぜ日本の風邪薬は、無理することが前提になっているのだろうか

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今回は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

なぜ日本の風邪薬は、無理することが前提になっているのだろうか

風邪の季節である。街を歩けば、マスクをしている人を見かける。電車やテレビで、風邪薬のCMを見にする機会も、とても多くなった。

テレビCMにせよ、電車の車内広告にせよ、僕が昔から日本の風邪薬で「酷い」と思っているのは、どの風邪薬も「無理すること」が前提になっているという点である。「辛いけど、会社は休めない。だから、この風邪薬を飲んで、頑張って会社に行こう」というストーリーのものがほとんどだ。「この薬を飲んで、今日は会社を休んでぐっすり寝ましょう」という筋書きの風邪薬のCMや広告は、あまりない。

風邪薬に限らず、ドリンク剤のCMや広告も「辛いけど、これを飲んで頑張ろう、乗り切ろう」というものばかりだ。特に、アリナミンのCMは暑苦しくて朝から精気が削がれると個人的に思う。

ドリンク剤や風邪薬の例からわかるのは、多くの日本人が「会社は、体の調子が悪くて多少辛くても、無理して行かなければならないもの」と認識しているということである。昨年、ウェザーニュースが行った調査によると、「熱が何度になったら休みますか?」という質問に対する回答の平均値は、37.94度だったそうである。以下のGooのランキングによると、発熱で仕事を休む体温ランキング1位は38度と、さらに酷い結果だ。

「発熱で仕事を休む体温ランキング」 2012年3月25日 『gooニュース』
http://news.goo.ne.jp/article/gooranking/life/gooranking-26149.html

発熱があろうがなかろうが、辛いんだったら会社を休んでよいし、それを咎めるようなことはあってはならないと僕は思うのだが、日本では基本的に無理をしてしまう人が多いようである。そして、その無理をしてしまう人たちの心理にちょうど乗っかろうとしているのが、日本の風邪薬ということになる。

基本的に、市販の風邪薬に風邪自体を治す効果はないという。これらの商品は基本的に症状を緩和させるのが主目的であり、これらを服用して無理を続けることで、逆に治癒までの時間が長引いてしまうということもよくある。風邪に対して真に必要なのは、十分な睡眠・休息だ。本当は市販の風邪薬なんて飲まずに、会社を休んで家で寝ていたほうがよいのである。

日本の市販風邪薬の市場は約1000億円だと言われている。大雑把な言い方をすると、「無理」をするために、これだけのお金が動いている。そこまで必死になって、やらなければいけない「仕事」というやつは一体何なんだ、と思わずにはいられない。

風邪を引いても無理して会社に行くような人ばかりが周囲にいると、同調圧力で自分も多少は辛くても頑張らないといけないのかな、と思ってしまう。日本の風邪薬のCMや広告は、この同調圧力を高めるのに一役買っているとも言える。「無理する空気づくり」に加担した功罪はそれなりに大きい。

辛いなら、別に無理なんてしなくてよいのである。風邪を引いてしまったら、大人しく家で寝ていようではないか。そのほうが結果的に早く治るし、周りにうつす危険性も減るので、絶対にいいと僕は思う。

執筆: この記事は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

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