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Kindle store オープンで考えたこと (下) マスコミュニケーションと個人同士のつながりのマーブル

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Kindle store オープンで考えたこと (下) マスコミュニケーションと個人同士のつながりのマーブル

今回はnabokov-VIIさんのブログ『nabokov7; rehash』からご寄稿いただきました。

Kindle store オープンで考えたこと (下) マスコミュニケーションと個人同士のつながりのマーブル

さて、日本で Kindle direct publishing *1が始まったとたん、知り合いがKindleで本を出版したという話が舞い込んで来た。しかもこの一週間ほどで複数!
みんな早いな。ずっとこの日のために準備してたのだろうか?それともKDPが始まってからの短い期間でさらっと作っちゃったの?

*1:「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングへようこそ」 『amazon kindle』
https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/signin

知り合いの書いた本の一つは、作者をとりまくさまざまな日常のオールスター出演のような小説だった。序盤のうちはあちらこちらに気まぐれに配置されたかに見えたチェスの駒が、最後のチェックメイトの瞬間に一気に繋がってつじつまがあうような、そんな構造になっているようだった。作者のバックグラウンドをよく知っていると、それらの個別のディテールがビビッドすぎて、大局には目が行きにくいのだけど。

そうそう、お前がそういうふうに感想をブログに書くことでこの物語は完成するのだ、こうしてお前も作品の一部に取り込まれたというわけさフハハハハ、とか言われそうな気がしてしゃくにさわるので、宣伝はあえてしないでおこうと思うw

ひとむかし前、プロの作る市販の音楽はCDに焼かれてシュリンクパックで奇麗にパッケージングされていて、一方アマチュアの作る音楽はカセットテープで、そこには見た目にも明らかなカーストの溝があった。今は、商業的に作られた音楽と、知り合いの録音した mp3 とが iTunes の中で隣り合っている。
本もそういう時代になったのだな。

自分がこの数年で渡ってきた3つの会社は、いずれも同じ大きな流れにのって動いていっているように思える。ネットの企業なのだから共通点があって当たり前といえば当たり前なのだけど。

ユーザは、近しい友人達と体験を共有するためにツイートしあう。ブログを書いて読み合う。
また、セレブリティの動向を追いかけ、識者の話を聞くためにツイートをフォローする。ブログを購読する。

本は、今まではごく一部の人が一方的にマス発信するためだけのメディアだったのだけど、そこに、ブログやツイートと同様、もっと個人レベルの別のモードが生まれつつあるようだ。

いずれのメディアも、一方に近しい友人同士の (closed な、もしくは close な) コミュニケーションがあり、もう一方に、ごく一部のスーパースターが発信したものを大勢が消費するマスコミュニケーションがあるという二層構造を持っている。

この二層が混じり合ってフラット化していくのかというと、そこまで単純でもない。
赤と白が混じり合ってピンクになるのではなく、赤と白の細かいマーブル模様になるような、そういう混ざり方をしているように見える。これはこの先どう進化するんだろう。

佐々木俊尚氏あたりがこれにうまい名前をつけたら、その先にあるステップが何か見えるようになるのかもしれない。今はまだ、それが何なのかうまく説明できない。

執筆: この記事はnabokov-VIIさんのブログ『nabokov7; rehash』からご寄稿いただきました。

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