宗教団体の手帳コレクション2012(前編)

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宗教団体の手帳コレクション2012(前編) 宗教団体の手帳コレクション2012(前編)

1 創価学会「文化手帖」(潮出版社刊)

 いきなり創価学会の手帳を紹介ということで、掴みは最悪に近いだろうが、これは本当に便利です。何が便利って、情報欄が圧倒的に充実しているのだ。

 例えば下の写真は「人名簿」のページだが、著名人の住所と電話・ファックス・メールなど連絡先が約1000人分収録されています。マスコミ関係、学者、イベント企画屋などが持っていると最高に有用です。勿論ここに書いてある程度の情報は、文藝年鑑や読売年鑑に大抵書いてあるのでそっちを持っていればそれでいいのだろうが、ハンディな形で持てるということに価値がある。なお、お前らが石原慎太郎の家にピザを大量に送りつけかねないので、住所などは念の為紙で隠しておいた。見たい奴はちゃんと自分で買え。

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 余談だがこの人名簿、確かに芝しってる先生のような創価学会員の名前もあるが、無着成恭先生(曹洞宗僧侶)や瀬戸内寂聴先生(天台宗僧侶)といった他宗教の人の名前もあるし、佐高信さんとか勝谷誠彦さんみたいな明らかにアンチ創価学会の人も載っているし、いいんだろうか。皇族の名前もある。あ、本人に無許可で載せているわけはないんだから変な妄想しないようにね。

 ほか、全国主要ホテル、主要出版社、主要大学、主要マスコミの連絡先もあるし、度量衡換算表とか郵便料金表とかもあるし、時候の挨拶だの季語だの手紙の文例だのもあるし、日本地図はおろか世界地図もあるし(さすが世界に羽ばたく創価学会インタナショナル!)、鉄道路線図もあるし、至れり尽くせりの1冊。私のメイン手帳である。ここだけの話、創価学会に批判的な人でもこの手帳だけは愛用しているという人、多いんです。

 購入方法ですが、潮出版社にネット注文するか、信濃町駅前の博文堂に行けば宜しい。私もいつも博文堂で買っている。2100円もするのが欠点だが2100円分の価値は充分にある。気の利いた学会員に頼むとタダでくれる場合もあるが、そしたらちゃんと聖教新聞を購読してやるとか、公明党に1票入れてやるとかの心遣いはあってもいいかもしれないね! 俺はそういう心遣いが嫌だから自腹で買っている

 あと、買う場合は黒い革の表紙の「文化手帖 資料付き」というのを買うこと! 一般創価学会員用の「文化手帖」は、カラフルな表紙なのだが、人名簿とかそういう便利な資料は一切付いていない上に、「6月10日は婦人部の日」といったような、学会員以外には心底どうでもいい記念日がダイアリー部に記されているので、まったくおすすめできない。気の利かない学会員に「文化手帖くれ」というとこっちを渡してくる場合があるから要注意な。資料付きの方にはそういう学会記念日の記述等がなく、一般向けに売ることを企図していることが伺える。

2 立正佼成会「佼成手帳」(佼成出版社刊)

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 創価学会を紹介したら終生のライヴァル、立正佼成会の手帳を紹介しないわけにはいかない(尤も庭野日敬開祖は1976年に出した自伝で「現在は何ら確執がない」と明言しているのだけど)。これは、やっぱり基本的には信者向けの手帳です。毎月4日は開祖様ご命日、10日は脇祖様(長沼妙佼)ご命日、15日は釈迦牟尼仏ご命日。10月7日のお会式・一乗まつり、などなど、行事にあわせて予定が立てられる。

 特徴としては、メモ帳部分が30ページ以上設けられているというのが嬉しい。また、佼成会の全教会(海外含)、全部署の連絡先が載っているので、やはり信者にとっては便利なものだろう。値段が300円というのも、日本の宗教団体の中で最も安い会費(月額100円)である佼成会らしいリーズナブルさ。また、2012年分からは定規付きシートレンズがオマケに付けられており、これが侮れない有用性を持っている。特に高齢会員にはありがたいものだろう。

3 浄土真宗本願寺派「門信徒手帳」本願寺出版社刊

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 伝統仏教教団の中で最大の勢力(信者数約700万人・但し当事者側発表)を誇る浄土真宗本願寺派の手帳は非常に豪華である。何しろ12か月分の法話が載っている。「人間というのは、どんなにありがたい話を聴いても、残念ながら忘れることがあります。しかし、忘れてもいいのです。忘れるから、私たちは聴聞を繰り返すのではないのでしょうか」……ねっ、なかなかいいこと言ってるでしょ?

 それどころか、門主(宗教上のトップ)の教書・消息も載ってるわ、基幹運動総合基本計画は載ってるわ、仏事作法や別院リストはあるわで、まさに本願寺派の門徒必携となっている。

 特に役立つのは、真宗用語の言い換えリストだろう。浄土真宗は教義的に他宗とかなり異なっており、言葉一つとっても禁止されているものがあったりして(例えば葬式の香奠袋の表書きを御霊前とはせず御仏前とする。祈るという言葉は厳禁で、「念じる」とする、などなど)、ハッキリ言ってこれらに対して門徒でも良く分かっていない「門徒もの知らず」が多いのが実情である。こういうもので門徒を啓発しようという心意気を買いたい。

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 あと、JRの特別割引「本願寺乗車票」というものがあって、あまり知られていないが首都圏・山陽・九州・北陸(後者3地区は本願寺派の門徒が多い地域。首都圏は門徒自体は少ないのだが、築地との兼ね合いだろう)から京都駅まで新幹線および特急の料金がちょっぴり安価になる。本願寺派の門徒でもない人間がこれを使って料金浮かせようとか考えたら、阿弥陀如来や親鸞が許しても俺が絶対に許さないが、門徒は是非利用して欲しいと思う。門徒たるもの毎年1度は本山参りですよ! なおこの手帳の値段は840円。

4 真宗大谷派「真宗大谷派手帳」真宗大谷派宗務所出版部

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 お西が出たなら次はお東だろう。お東の手帳のポイントは、ダイアリー部脇に親鸞聖人や蓮如上人、あるいは大谷派学僧の名言が載っていることで、「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」(歎異抄)など、目に入る度に阿弥陀如来の絶対他力に帰依したくなること請け合いで、信心が深まる。メモ帳部も結構充実のページ数だ。

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 付録部分では、宗門校・別院・教務所一覧や、京阪と東京の路線図があって便利。また特筆としては、本山読経の料金一覧があって、特等だと300000円以上の懇志金だそうである。全体的には実用性を追求したような印象がある。細い鉛筆もセットで付いてくるのだが、紛失してしまった。

 なおこの東西本願寺の手帳には不満がある。本願寺派には「食事のことば」や門主の消息が載っており、大谷派には「真宗宗歌」や三帰依文が載っているのだが、双方、正信偈が載っていない。真宗的には絶対に覚えておきたいものなのに(私は別に真宗の門徒でもない100%無宗教の輩だが、暗誦できる)。字を小さくすれば2ページくらいで全文掲載できると思うので、ここは改良して欲しいと要望しておく。

 このほか、伝統仏教教団の手帳としては高野山真言宗の「高野山檀信徒手帳」があるが、何しろ高野山出版社のwebサイトがここ5年くらい更新されていないので、入手していない(但し気の利いた高野山の宿坊寺院とかに行けばタダで貰える場合もあるらしい)。あとは、各宗派で教師資格(人に教えを説ける資格という程度の意味と思っておけばいい。学校教員とは一切関係ない)持ってる僧侶に配る手帳があるのだが、勿論、私は僧侶ではないので持っていない。知り合いの某宗僧侶に「教師用の手帳くれよ」と言ったら「無宗教者にやる手帳はねぇよ」と一蹴されたよ。俄然わかる。

 次回は神道/キリスト教/エル・カンターレ編をお送りします。お楽しみに!

(文責・岸本元)
※この記事はGAGAZINEさんよりご寄稿いただいたものです

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