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おいしい話にのって儲けることはできるか?―多田文明さんインタビュー(1)

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 不況が続く昨今、将来への金銭的な不安や日常的な金欠病から、つい儲け話に気を引かれたり、会社に内緒で副業に手を出したという人もいるのではないでしょうか。コラムニストの多田文明さんは、『おいしい話に、のってみた “問題商法” 潜入ルポ』(扶桑社/刊)の中で、世の中に存在する様々な“おいしい話”を実際に突撃で体験し、その模様をレポートしています。
 今回、ポッドキャスト番組「新刊ラジオ第2部」では番組パーソナリティの矢島雅弘氏が世の中の“問題商法”についてインタビューしています。今回はその前編です。

 ◇   ◇   ◇

◆不安な人が多い現代は、悪徳業者にとっては“騙しやすい”時代

矢島「前著『ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ』の出版からおよそ十年が経って、今回、同じようなテーマで本を書かれましたが、問題商法の手口も以前と比べると変わってきているのでしょうか」

多田「変わってきていますね。十年前の日本は、(今と比べて)社会が安定していたので、悪徳業者は、まず不安を作り出す必要があったんですよ。不安を作り出したら、その不安を突いて物を騙し売りするんです。ところが現代は、震災があったり不況が続いていたりして、人々は色んなものに対して、すでに不安を持っているんです。だから業者はわざわざ不安を作り出す必要がない。そういう意味では、非常に騙しやすい時代に入ってきていると思います」

矢島「セールスの世界では、“需要を作る”という言い方をしますが、これは概ねポジティブな捉え方です。しかし、悪質な業者から不安につけ込まれて商品を購入するとなると、結果として、騙されてしまうことも多いでしょうね。例えば、これは極端な例ですが、“あなたには悪霊がついているので除霊が必要です!”みたいな(笑)」

多田「そうですね。あとはやっぱり、リフォーム詐欺的なものですよね。震災の影響で不安が高まっている時期ですから、不安をあおって必要のないリフォームをさせたりするわけです。震災後、家を専門家に見てもらいたいと思っている人は増えていますから、昔は点検して(不安を作り出して)いたのが、今はそれも必要なくなっていますからね」

矢島「“リフォーム業者です”といって民家を訪問すると、これまでは警戒されていたのが、今なら二つ返事で通されちゃうわけですね」

多田「そうです。警戒することなく簡単に招き入れてしまうし、もともと持っている不安ですから、そこを突かれて騙されてしまう人が多いのです」

◆金銭的な不安に付け込んだ“投資の罠”

矢島「続いては、投資・副業という言葉で巧妙に包み隠されていて、金銭的な不安に瀕している状態だと、“これは一発逆転のチャンスなのでは”と信じ込んでしまいかねない、そんな悪質商法について伺っていきたいと思います」

多田「金銭的な不安につけこんだ問題商法と言えば、“投資競馬”というものがありましたね。ある日、“投資競馬で確実に儲かる情報を知らせます”という内容のメールが送られてきたんですね。きちんと儲かる情報があるなら投資してみようと思い、無料会員に登録しました。すると、すぐに電話がかかってきて、無料会員のシステムを紹介されたんですよ。電話の内容は、“土日にあるメインレースの(勝てる)情報を教える”というものでした。しかし、それだけでは終わらず、“情報を得るためにはID番号が必要になるので、お金がかかります”と言うんですね」

矢島「あれ、無料会員に登録したはずですよね?」

多田「そうなんですよ。話を聞くと、“本来ならば1万円以上かかるところが、特別に2千円の振込みで正式な無料会員になれます”と言うんですね。なんだか矛盾を感じつつも、2千円で稼げるようになるのならと、お金を振込んで情報を得たのですが、指示に従って買った馬券は全部ハズレでしたね(笑)」

矢島「全部ダメでしたか(笑)ハズレたあとも、“投資競馬”の業者と話をする機会はあったのですか?」

多田「ええ。業者とは登録した翌日から毎日のように電話で話していましたからね。話す内容としては、“あなたはどんな願いを持っているのか”とか、“いくら儲けたいのか”“借金はあるのか”“日々の生活の支払いはどうなっているのか”というような個人的なことを、細かく訊いてくるんですね。そんな日が続いて5日目くらいで、“年間数レースだけ存在する、的中率が100%の情報がある”という話をしてきたんです。それなら教えて欲しいと申し出ると、まず特別会員になる必要があると言われました。そして競馬予想が外れた翌日の電話で、“今回のような精度の低い情報じゃなくて、確実に勝てる極秘情報を手にすべきだ”と言います。しかし、特別会員になって支払うべき情報料金が300万円で、しかも情報を得る前にお金を支払わないといけないと聞き、さすがにこれは止めました」

(後編へ続く)

(Podcast番組「新刊ラジオ第2部@プレミアム」今週のスゴい人のコーナーより)



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