日本の労働犯罪の多さはリアル北斗の拳と言われても仕方がないレベル

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日本の労働犯罪の多さはリアル北斗の拳と言われても仕方がないレベル

今回は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

日本の労働犯罪の多さはリアル北斗の拳と言われても仕方がないレベル

例のごとく、また残業についての暗いニュースを見つけた。

「残業代:全額支払われているのは「5割」…連合総研調査」2012年11月05日『毎日新聞 毎日jp』
http://mainichi.jp/select/news/20121106k0000m020023000c.html

この記事によると、日本では民間企業の半数以上が、残業代を従業員に正しく払っていないそうである。残業代を払わないというのは、他人の労働力をタダで奪うことであり、窃盗と同じで重大な犯罪行為だ。日本の治安の良さは世界でもトップクラスだといわれているが、傷害や窃盗は少なくても、サービス残業という労働犯罪はこんなにも横行している。
犯罪者が何の制約も受けずに大手を振って歩ける国ということで、これはもうリアル北斗の拳と言われても仕方がないレベルだ。

上の記事では5割となっているが、実際には裁量労働制という大義名分による残業代踏み倒しも常態的に行われているので、残業代が正しく払われていないという人は更に多いと推測される。
この状況で、ホワイトカラーエグゼプションなるサビ残合法化策まで導入しようという話まであるのだから、日本ほど労働犯罪者に優しい国はないのではなかろうか。

上の記事の結びにも書いてあるが、日本では残業代の不払いが違法行為だ、ということを正しく認識していない人が多すぎる。
例えば、ちょっと前にはこんな記事が話題になっていた。ふざけた話だが、こんな感じの中小企業の社長は実際たくさんいるだろう。

「中小企業の社長って労働基準法の認識甘すぎワロタwwwwwwww」2012年11月01日『GOLDEN TIMES』
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51748329.html

どうして、こうまでも労働基準法は軽視されるのだろうか。理由は複数あるだろうが、1つには、労働基準法の考えている前提が全く現実に即していないということが考えられる。

労働基準法によれば、残業は会社と労働組合(あるいは労働者の過半数代表者)の間で労使協定を取り交わしてはじめて適法になる。法律の建前上は、使用者と労働者が話し合って、双方納得した上で行うことになっているのである。
使用者側が立場を利用して横暴な手段に出た場合には、労働者は組合で団結して戦うことになっている。

このように、労働法では会社と組合が対等に交渉できることが前提になっているが、実際に組合がしっかりと機能していて会社側と交渉できるような企業はどれだけあるんだろうか。会社の言うことを唯々諾々と聞くだけの御用組合や、操り人形のような従業員代表しかいないという企業がほとんどなのではないだろうか。

昔ならともかく、労働者に組合を作って戦えというのは、雇用の流動性が高まっている現代にはちょっと削ぐわないのではないかと思う。実際、労組に入る人はどんどん減ってきていると聞くし、若者の多くは組合活動なんかに興味はないだろう。ここで組合の復活を望むよりかは、労働基準監督署の権限を強化して、国がガンガン違反を取り締まるようにしたほうがうまくいくような気が個人的にはする。

何はともあれ、とにかく強調したいのはサービス残業が違法行為だ、ということだ。このことは、何度でもこのブログで強く言っていきたい。

執筆: この記事は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

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