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日本の民事裁判の7割は本人訴訟で争われている

日本の民事裁判の7割は本人訴訟で争われている

今回は橘玲さんのブログ『Stairway to Heaven』からご寄稿いただきました。

日本の民事裁判の7割は本人訴訟で争われている

新刊『臆病者のための裁判入門』(文春新書)の「はじめに」と「目次」をアップします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166608835/

はじめに

最初に断っておくが、「裁判入門」といっても、本書で扱うのは刑事事件ではなく民事訴訟で、それも数万円から数十万円といったきわめて少額の話だ。そのうえ私は法律に関してはまったくの素人で、専門教育を受けたこともない。そんな私がなぜ、司法制度についての本を書くのか?

裁判員裁判が始まったこともあり、ほとんどのひとが「裁判」と聞くと刑事事件を思い浮かべるだろう。だが刑事裁判は、平凡で堅実な社会生活を送っているひとにとって身近なものではない。

年間の刑事事件は110万件前後だが、これは略式事件などを含めた数字で、裁判官や裁判員の前で検察官と被告弁護人が主張をたたかわせる訴訟事件はそのうち8万件程度だ(簡易裁判を除く)。それに対して民事訴訟は、地方裁判所で年間75万件、簡易裁判所で120万件。損害賠償など主として財産に関する紛争を扱う民事の通常訴訟だけを見ても地裁で約20万件、簡裁で約55万件、これに行政訴訟や人事(離婚)訴訟、少額訴訟、民事調停や特定調停などを加えると、年間で100万件ちかい紛争が裁判所を舞台に争われている。あなたが刑事事件の被告になることはおそらくないだろうが、誰もが人生のうちで一度や二度、民事紛争の当事者になったとしてもおかしくはないのだ。

民事訴訟というと、法廷ドラマに出てくるように、代理人(弁護士)が原告側と被告側に分かれて激論を交わす場面を想像するにちがいない。だが、次のようなデータを知っているだろうか?

2011(平成23)年度の地裁の民事事件(通常訴訟)21万2490件のうち、原告と被告の両者に弁護士がついた事件は全体の30%しかなかった。残りの7割は、原告か被告のいずれかしか弁護士がついていないか、あるいは原告・被告ともに弁護士のいない事件だ。

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(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
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日本の民事訴訟の特徴は本人訴訟の割合が高いことで、地裁の事件のうち22.6%が原告・被告ともに本人訴訟、高等裁判所でも7.9%が双方ともに本人訴訟で、原告・被告のいずれにも弁護士がついた事件は高裁でも6割にとどまっている。

簡易裁判所ではこうした傾向がさらに顕著で、通常訴訟55万798件のうち当事者双方ともに弁護士・司法書士などの代理人がついたのはわずか2.8%しかなく、全体の97%超で原告・被告いずれかが本人訴訟だ。双方ともに本人訴訟のケースも32万件超と半数を超える。

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少額訴訟は簡易裁判のなかでも請求額が60万円以下のものだが、じつに99%超が本人訴訟だ。総数1万4097件のうち、双方に代理人がついたものはわずか57件(0.4%)にすぎない。

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