小売業の賃金下落はグローバル化とは関係ない?

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小売業の賃金下落はグローバル化とは関係ない?

今回は疑似科学ニュースのメカAGさんの記事からご寄稿いただきました。

小売業の賃金下落はグローバル化とは関係ない?

「最低賃金を2倍にすると何が起こるか」2012年09月14日『デマこいてんじゃねえ!』
http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20120914/1347627929

国内の客を相手にしている小売業や飲食店の賃金はグローバル化とは関係ないという。彼らの業務は場所(国内)に密着していて、輸入したりアウトソーシングできないのだから、他国と競争しているわけではなくグローバル化とは無関係なはずだ、と。

ん~どうしてそう考えるのだろうか。まずバブルを知らな世代が共通して間違っている点がある。これはひろゆきとかにも当てはまる。彼らは「人間は安いものを好む」と思い込んでいる。

物心ついてからずっと価格破壊&物価下落しか体験していない世代は無理もないが、それは違うのだ。人は高くて高級なものを好む。だからバブル期は高級なものがどんどん登場し、それが売れた。レストランでも高級レストランに通うのがカッコイのだ。車も馬鹿高い製品が次々に登場した。

その時その人が買える範囲で、人はできるだけ高いものを買うことで、贅沢をすることで、自分の人生の実績を確かめようとする。「同じ機能なら安いものを買うはずだ」というのは間違いなのだ。同じ機能の高級品をあえて買うことに人はステータスを感じる。

使いもしない機能が付いている高級品をついつい買ってしまうのはなぜか?そもそも人間は金を使いたいのだ。高度な機能はその言い訳に過ぎない。言い訳になる理由を提供しているだけなのだ。たまの贅沢、結婚記念日だから、誕生日だから、全部言い訳だ。

高いものが売れるから、企業の売上も上がり、結果的に社員の給料も上昇し、さらに購買力が高まり、高いものが売れる。

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さて小売業の話だが、なぜ小売業の賃金が下落するかといえば、客が金を使わないからだ。従業員教育の行き届いた高いサービスの店(当然商品の値段は高くなる)を選ばず、安い店でみんなが買おうとするから、売上が落ちる。結果的に経費削減のために人件費を削る。

バブル後世代はこれを必然だと思い込んでいる。同じ商品を買うのに、ちょっとぐらい店員の質が高い高級な店よりも、安い店を選ぶのが当たり前だと思い込んでいる。違うのだ。カネに余裕さえあれば人は贅沢を望むものだ。ボーナスが出た直後や給料日直後は誰でも「いつもよりちょっと贅沢をしよう」と思うだろう。

人は手元に金があれば使いたくなるものなのだ。理屈の上ではたいして違いがないなら安い方を選ぶはずという結論にしかならないが、人間の大半は合理的には行動しない。

で、なぜ最近は客が安い店にいくかといえば、客もあまり金を持ってないから。なぜ持っていないかといえば会社の業績がイマイチで給料が上がらず、ボーナスも少ないから。そしてその理由はグローバル化で海外の安い製品が輸入され、国内で作っている製品の売上がイマイチだから。

当たり前だが国内で作るからその製造のための人件費は国内に分配される。国内の労働者の給料となるのだ。海外の製品を輸入してしまったら、その製造のコストは海外の労働者の給料になるだけ。

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で、その流れを変えるにはどうするか?輸入を制限すればいい。国内で作った高い商品だけを売る。商品の値段は高くなるが、その金は国内の労働者の給料になるのだから、購買力は上がり国内の経済は活性化する。

輸入制限だと露骨すぎて外国の反発を呼ぶというなら、やはり円安誘導だろう。円安にすれば海外の輸入品は高くなるから、国内で売れなくなる。あとは上記と同じ。

執筆:この記事は今回は疑似科学ニュースのメカAGさんの記事からご寄稿いただきました。

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