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ストーリーの没入感と銃撃アクションの爽快感は類を見ない仕上がり! 『マックス・ペイン3』をレビュー

奴の名は“マックス・ペイン”。
元NY市警の刑事で、銃の取り扱いは極めて長けている男。状況分析にも優れ、現場での彼の活躍を疑う者は誰もいない。

人生の履歴書にこう記されていれば、誰もが手を伸ばしたくなる人材だろう。だが、いざ会った瞬間に、面接官の顔色は青ざめるはずだ。クラブで声をかけた女が、いざベッドに入ると実は男だったように。

そう、奴は酒と薬にまみれて地を這(は)う、ただの中年でしかないのだから。

ガンアクションシューティングの代名詞的タイトル

おっと、独り言が過ぎたようだ。酒が進むと、口が滑るようになるのは誰もがわかることだろう。だから、きっと許してくれるはずさ。
『マックス・ペイン』シリーズの最新作、『マックス・ペイン3』。ゲーム史上でも類を見ない人物描写とこだわりぬいた銃撃アクションで世界的な評価を得ているシリーズだ。
制作は今や世界のゲーム市場を牽引(けんいん)していると言っても過言ではない、“ロックスターゲームス”。『グランド・セフト・オート』や『レッド・デッド・リデンプション』に代表されるように、箱庭系のゲームを得意にしているが、本シリーズは映画をイメージして作られており、自由度の高いプレイが楽しめるものではない。
随所に挟まれるムービーと、そこからシームレスに展開されるアクションパートを進めていく形式だ。

渋い、重い、絶望にとらわれる中年男の群像劇

「まるで映画を見ているような」という言い回しは、もはや過去のものといった感があるが、それでもなお、今作を表現するにはそれ以外の言い方が見つからない。ムービーの完成度は言うまでもないところ。
最新のゲームエンジンで表現されるグラフィックは元より、プレイヤーを没入させるストーリーテリングが素晴らしい。決して突飛な物語が語られるわけではない。簡単に紹介すると、

妻子を失った過去の悲劇の記憶に抗うためにブラジルの要人警護の職に就いた“マックス・ペイン”。
だが、皮肉なことに、はるか彼の地で待っていたのは新たな誘拐事件だった。
未来を切り開くでもなく、過去を取り戻すわけでもない。
その狭間の闇にとりこまれ続ける男は、再び孤独な戦いに挑む。

どうだろうか。どこかで聞き覚えがあってもおかしくないし、むしろ古典的と言えるかもしれない。だが、それを十二分に体験させてくれるのであれば、これまでにないユーザー体験となるであろう。そして、実際に今作はそれを実現している。
常にシニカルな態度をとりながら、それでもなお戦い続けるマックス・ペインの生き様をぜひ追体験してほしい。

バレットタイムを使いこなせ! 2丁拳銃で敵をハチの巣に

さて、ストーリーと対となって今作の両輪をなすのが、銃撃アクションだ。大枠としては、プレイヤーキャラの背中越しの視点から操作する、いわゆるTPS(三人称視点シューティング)となっている。“マックス・ペイン”は“バレットタイム”という特殊能力を使うことができる。これを発動させることで、自身を含めた周囲はスローモーションになり、1対多の局面を打開することができる。近年のFPSやTPSでは、割とおなじみになっているとも言える仕様だ。実のところ、10年以上も前に発売された第1作から採用されているシステムで、正直なところ新鮮味には欠ける部分がある。ただ、システムそのものと使いようは別問題。
“バレットタイム”を使いたくなるような敵配置や、使用頻度の制限は絶妙なバランスで成り立っていると感じた。“ロックスター”のゲームらしく、照準の小ささや挙動のクセなど、慣れないと面倒な点もあるが、それらを差っぴいても、十分にやりごたえのあるアクションとなっている。

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