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ポキっと折れない柔構造の人生設計

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ポキっと折れない柔構造の人生設計

今回はessaさんのブログ『アンカテ』からご寄稿いただきました。

ポキっと折れない柔構造の人生設計

僕は自分より頭がいい人がたくさんいることを知っているけど、このことを知っているのは自分ひとりじゃないだろうか?と思うことがよくある。

インターネットによって損をした人も得をした人もたくさんいると思うが、頭のいい人にとってインターネットは天の恵みだろう。インターネットがいきわたると、頭のいい人のできることはどんどん増えて、彼らは世界を変えていく。

僕は、昔COBOLプログラマという仕事をしていたけど、頭がいい人が世界を変えたことで、この職を失った。今でもCOBOLプログラマと名乗る人はいるが、それは僕がやっていた仕事とは随分違うものになっている。

それ以来、自分の人生設計をする上で、頭のいい人が次に何をやるかを一番先に考えるようになった。

その頃は、コンピュータ関係の仕事でなければ、そんなことは気にしなくてもよかったと思うが、今はネットがあるから、多くの仕事が影響を受けるだろう。

頭のいい人のことを考える上で、一番重要なことは、彼らは我々が思うのとは違う所から価値を引き出すことだ。

僕は、googleもyoutubeもtwitterもfacebookも世間が騒ぐより前に知っていたけど、どれも絶対に流行るとは思えなかった。僕はブログを書いているので、そういうものの出始めに自分が何を考えていたかいつでも思い出すことができる。「これは絶対に流行らない」と確信していたことを、その頃の自分の文章を読むことで思い出せる。

他の人は、そのことを忘れやすいように思う。自分がgoogleに慣れると、自分が使いはじめた時に、今と同じくらいgoogleの意味を理解していたと錯覚してしまうのだ。この錯覚によって、今の自分の見えないものを計算に入れるという習慣が身につかないのではないか?

インターネットに参加できる人口はどんどん増えているし、端末はどんどん安くなる。総数が多ければ、頭のいい人の人数も増えるだろう。

プログラマの世界では「欧米か!」というツッコミではなく、新しい技術が出てきた時に「また欧米以外か!」と言うのが恒例になっている。無理して英語のpodcastを聞いていると、重要な技術に関する講演が訛りのひどい英語で何言ってるのかわからないことが最近多い*1。でも、僕は何ひとつ聞き取れなくても「今日は本当に勉強になった」と思う。「また途上国出身の人がそんな重要なポストについて凄いものを開発している」ということを知れば充分なのだ。

だから、僕は、googleやyoutubeやtwitterやfacebookに驚かされたのと同じように、これから自分が驚くことを知っている。その驚きの度合いと頻度が加速していくことを知っている。それが全部今自分の見える所にあって、自分がそれを見て「なんじゃあこりゃ、変なの、こんなの流行るわけがない」と言っていることを知っている。

そして、どれが「それ」なのか自分には見分けられないことを受け入れている。

3Dプリンタというものが最近急速に進化して、ソフトウエアを作るようにモノ作りができるようになった。だから、ソフトウエアの尺度で世の中全体を評価してもよくなるだろう。そうなれば、エネルギー問題に頭のいい人が進出するだろう。簡単な機械とネットを組合せて画期的に節電する仕組みを考え出す人が出てくるだろう。

なんていう自分の予測が、いい方に裏切られることを知っている。もっとすごいことが起こることを知っている。

自分より頭がいい人がたくさんいることを知っていれば、こんなふうに考えるのが必然だと思うけど、そういうふうに考える人がほとんどいないので、このことを知っているのは自分ひとりじゃないだろうか?と思うのだ。

一番謎なのが、こういうことを無視して、世の中は変化しない、少なくとも自分の生きている世界は変化しないと考える会社が、「安定している」と言われて人気があることだ。権力を持っている会社がいいのはわかるが、権力を使って一生懸命自分を固くする会社が好かれているような気がする。

高層ビルは地震で揺れないように作るとポキっと折れるので、揺れるように作る。スカイツリーは心棒と外殻が別々に揺れて、その揺れが打ち消しあうという、最新の柔構造になっているそうだが、安定してるってそういうことだと思う。

どんどん驚くべきだし、みんな違う驚き方をすべきだ。そうすれば揺れが打ち消しあって社会が安定する。

驚かないで歯を食いしばってみんな同じ姿勢でふんばるのは安定ではない。そういうことをして今立っている会社を「安定している会社」と呼んで、みんな子供をそこに入れたがる。一生の間、驚かないですむ人生を、安定した人生と呼んで、そのために努力する。

これから揺れがどんどん大きくなるのに、大丈夫だろうか?

ポキっと折れる会社は、ポキっと折れる直前まではいい会社だろう。折れた後に必要な貯金も知識も経験も積める。だから、そこで働くという選択はそんなに悪い選択ではないとは思うのだが、驚かないですむために選ぶとしたら、会社がポキっと折れた時に自分も折れてしまわないか心配だ。

だから、「世の中には頭のいい人がいっぱいいて、彼らがこれから世界を変えていって、僕らはみんな自分の知らない世界である朝目覚めるんだよ」という自分だけが知っている秘密を打ち明けることにしたのだ。

執筆: この記事はessaさんのブログ『アンカテ』からご寄稿いただきました。

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