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がん患者の家族が感じた、治療の現場の問題点とは?

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 もし大切な人が「がん」になってしまったら…。家族はどう「がん」に向き合うべきなのでしょうか。
 松竹の映画宣伝部として数々の映画プロモーションを手掛けてきた清宮礼子さんは、大ヒット映画『おくりびと』のプロモーションを担当している裏で、家族とともに最愛の父の闘病を必死に支えていました。その父と家族の闘病を書いたのが『大切なひとのためにできること』(文芸社/刊)です。
 清宮さんが本書を執筆した理由とは? そして、家族で「がん」と向き合うとはどういうことなのか? 清宮さんにインタビューを行いました。今回は後編をお届けします。
(新刊JP編集部)

■がん患者の家族が感じた、治療の現場の問題点とは?

―お父様のがん治療やサポートの制度的な側面において、最も問題だと思ったことはなんですか?

「医者によって、治療法の判断が大きく違うことです。担当医の考え方があって、父の場合は、1度担当医が変更になったことがあるのですが、その際に、「私だったら、はじめはイレッサという薬を使いますね」と言い放たれたことです。特に手術ができない末期がん患者は、患者、家族の思いをしっかりと汲み取って、より的確な治療法の提案が、主治医に求められるけれども、それにしっかりと答えられる医者が少ないという事実を知り、いまだに暗中模索で正確性にかけるがん治療を目の当たりにしました」

―清宮さんは映画のプロモーション担当としてご活躍されていますが、仕事と看病の両立の部分で苦心したことはありましたか?

「私の仕事は不規則で忙しいのですが、父が病気になった時には、入社から5年たったころでしたので、ある程度は自分でスケジュールを組みたてることができるようになっていました。外での打ち合わせを入れながら、合間を縫って、セカンド・オピニオンを聞きに、都内様々な名医と呼ばれる医者がいる病院を訪ねて回ったり、午前休をもらって父を病院に連れて行ったりしました。なるべく業務上支障がでないために、パソコンや携帯で、会社にいずしても仕事がとどこらないように精一杯の工夫をしました。
仕事はとても大事だけれど、当時は、父との時間をもっとも大切にしたい、という強い気持ちがあったので、会社の上司にしっかりと説明しました。ありがたいことに、会社や上司や同僚は、本当に理解を示してくれて、温かく見守ってくださったという環境も、不可欠だったと思います」

―がんになった身内のために、家族ができる一番のことはなんだと思いますか?

「不安や苦しみと常に闘っている患者においては、ふだんと同じように、接することが一番です。病気だからといってあまり腫物に触るような特別扱いしないこと。そして、たくさんの時間を一緒に過ごし、たくさん話すことです」

―今、お父様にメッセージを送るとしたら、どのようなメッセージを送りますか?

「もうちょっと一緒にいられることがあたり前だと思っていたから全く親孝行できなくてとても悲しいのだけど、30年間の時間の中で、一生分の愛を持って全力で育ててくれたことを一番の誇りに思うし、その気持ちをしっかりと受け取って、誇り高く生きていきたいと思います」

―本書を通して、読者のみなさまにどのようなことを伝えたいと思っていますか?

「家族などすぐ隣にいる大切な人と一緒にいられることが、より愛おしく感じて頂けたらと思います。
ある意味どこにでもいる普通の家族であった私たちに起こった出来事を、あますことなくつづった本書を通して、大切な人に起こりうる万が一の時の事、その向き合い方について、考えるきっかけとなり、いざとなった時に少しでも役に立つことができれば嬉しいです。
身近な人が病気になる、ならないにかかわらず、読者の方々にとって、より家族の愛や絆を感じ、大切にしたいと考えるきっかけとなって欲しいですね」

(了)



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