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原発局地的汚染地帯「ホットスポット」はやっぱり補償ゼロで除染もナシだった~伊達市霊山町掛田地区の場合~

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福島県伊達市霊山町

【原発汚染補償ゼロエリア】高線量なのに補償ゼロ~伊達市霊山町掛田地区の場合~

福島県伊達市霊山町。

福島市と、相馬市をつなぐ相馬中村街道(国道115号線)の道沿いに面するこの地域は、原発から50キロほど離れているにも関わらず「ホットスポット」になってしまった悲劇の場所だ。

霊山町掛田地区の住宅団地に住む男性はこう話す。

「ここは車で20分ほどで福島市に出られるので、20年ほど前にベッドタウンとして造成されたんです。岩盤の上に建っているので3月11日の震災のときも、揺れもそれほどなかったんです。停電はあったけど、建物の被害もなく、いい場所に家を買ったと喜んでました。

昨年3月15日の夜、いつものように庭に出て、タバコを吸ったんですが、次の日の朝、何もしていないのに鼻血が出たんですよ。血がだらだら出るほどではなかったんですが、ティッシュで拭うとじんわり血がにじむような感じ。これまで滅多に鼻血を出したことがないから、おかしなこともあるなと記憶に残ってました。後から考えるとあれは、放射性ヨウ素が降ってきて、それを吸ったってことなんでしょうね。まさか放射性物質がこんな離れたところに降ってくるとは思わなかったですよ」

伊達市霊山町。元の図は文科省が2011年4月に発表した2012年3月11日までの積算線量推定マップ

3月12日の1号機と14日の3号機の爆発に続いて、15日午前6時過ぎには2号機で爆発が起こった。

放射性物質は、風の流れに従い、国道115号線に沿って北西方面に広がっていった。

いわゆる「ホットスポット」になってしまったこの地区に記者が訪れたのは今年5月末。

震災から14ヶ月が経過したこの日の掛田地区の地面線量は高いところで15μSv/h前後、空間線量も1μSv/を超える場所があった。

原発局地的汚染地帯「ホットスポット」はやっぱり補償ゼロで除染もナシだった~伊達市霊山町掛田地区の場合~

東電からの補償はゼロ。震災の義援金なし。除染もしてもらえない「ホットスポット」の現実

地震による被害が認められなかったことから、この地区の住人は東日本大震災の被災証明を受け取ることができなかった。従って震災の義援金は支給されていない

また、高い線量が計測されているにもかかわらず、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の指針で賠償対象外となってしまったため、東京電力から住人が受けとった補償はゼロ

この3月に、18歳以下の子供と妊婦に20万円、それ以外の住人には一人4万円という「賠償対象外地域」に適用される「見舞金」が福島県から支給されたのみだった。

「このあたりよりも全然線量が低いのに、20キロ圏内というだけで、月額10~12万の補償がでるというのは正直言ってうらやましいですよ。」と、別の住人の一人は言う。

しかも、これまで東京電力も市も、一切除染をしてくれていない

そのため町内で自主除染を年末に行ったという。

「市は、除染のための助成金50万円を用意していたんですが、助成金の支払い条件に<町内での仮置き場を住民が用意する>が満たせなかった。結局助成金をもらえなかったんです」

自主除染で、子供の通学路を高圧洗浄し、側溝の落ち葉などを片付けたが、線量はさほど低減しなかったという。

(取材:ジュリアン・ラフォレ)

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