ぐっどうぃる博士「もう日本人の成功哲学本は読まなくていい」!?

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 巷に溢れる成功哲学やスキルアップの本。しかし、多くの人はそうした本を読んでも、なかなか「成功」を実感できないのではないでしょうか。

 では、「成功哲学」はウソだったのか? 恋愛カウンセラーとして活躍するぐっどうぃる博士は「スタンダードとなっている成功哲学は古くて不完全なもの」と言い切ります。
 実はぐっどうぃる博士は、恋愛と同じくらい成功哲学を重要なテーマと位置づけているそうで、『夢を叶えるアカデミー』(扶桑社/刊)で博士が気付いた“普通の人でも成功の役に立つ”13個の定理を公開します。
 博士が考える成功に最も必要な定理とは? 今回はぐっどうぃる博士にインタビューを行いました。その後編をお届けします。(新刊JP編集部)

■日本人の書いた成功哲学の本はもう読まなくてもいい?

―成功哲学というと、「成功」という言葉が先行してしまう部分があると思います。先ほど博士がおっしゃったように、私たちの価値観の中心はお金ではなくなってきたという部分があると思うのですが、今、私たちは成功というものをどう捉えるべきでしょうか。

「成功は心の中で起きていることです。自分がその状態にたどり着いて、心から幸せと感じられる状態が成功だと思うんですよね。じゃあ、どうすれば幸せにたどり着けるのか、それは、強引に言ってしまうと、『この世界をどこまで思い通りに変えることができるか』、そして『どの世界に自分が幸せを感じることができるか』、この2つの接点だと思うんです。
どういうことかというと、例えば、ある人は巨万の富がないと成功を感じられません。その場合、正しい努力をたくさんしないと、幸せに到達出来ないかもしれませんよね。一方、そんなにお金持ちじゃなくても幸せを感じられる人は、努力の仕方を少し間違ってもたどり着けるでしょうし、そもそも、そこまで頑張らなくてもいいんです。それで十分成功なんですよ。今の説明は、単純化したものですが、接点の位置はもっと多様で人それぞれです」

―どこで満足できるかというのは、人それぞれで変わってくる部分ですよね。

「でも、自分のことを分かっていないと、どこで満足できるかも分からなかったりするんですよね。自分にとって何が幸せなのか分からないときは、他の人が幸せそうに見えて、そこを目指してしまう。“可愛い恋人がいるAがうらやましい”“公務員で安定しているBが幸せそうだ”なんて感じに。自分のことを分かっていないと、必死に努力して、そこにたどり着いても、実は『幸せじゃなかった』『何かが足りない』と思ってしまうことも多いでしょう」

―本書には「山田君」という主人公が出てきますが、このキャラクターにモデルはいるのですか?

「山田君は一般の中でも、少しダメな人を設定しました。モデルもいまして、うちの会社にいたAという人物ですね。社内でこのAを成功させることができたらすごいということになりまして、その方法を考えているときにこの連載の話が来たんです。そこで、Aを成功させるという狙いで書き始めたのですが、実はもう会社を辞めてしまっていて(苦笑)。
ただ、書いていて、僕自身にもこの山田君と同じ部分はあるなと思いましたし、やはり、山田君みたいな人が成功しないと意味がないなと思いました」

―本書には「成功の13のセオリー」という副題が付いているように、成功のための13の定理が紹介されています。この13の中で最も重要だと思う定理はなんですか?

「1つの定理だけでは成功できません。例えば、僕はちょっと前に、ある目的のため、テレビ番組に出演したいと思っていました。そして、ある、とても力のある方に気にいって頂き、誰もが知っているテレビ番組に何度か出演させてもらったわけです。これって人間関係ですよね。でも、自分で言うのもなんですが、そもそもその方に好かれたからといって実力や実績、もしくは自分にニーズがなければ、その番組に出ることはできなかったと思います。さらに言えば、僕は最近テレビに出ていません。これは、テレビ番組の制作者に僕が役立てなかったことを意味しています。これも皮肉ですが、人間関係だけでは成功出来ないことの証明でしょう。
13の定理はどれも重要ですから注意深く読んで欲しいです。養老孟司さんの『バカの壁』という本がありましたが、同じように、読んでいくと『あ、この内容知ってる』というところがたくさん出てくると思います。でも、実は『知っているな』と思っている以上のことが書いてあるはずなので、最後のオチまで、一文一文きちんと読んで欲しいと思いますね。なるほど、こういうことだったのか、と。バカの壁を超えて欲しい気持ちがあります」

―この本はこれまでの自己啓発書のガイドブック的な印象が強かったのですが、お話をうかがっていて、そういうわけではないことが伝わってきました。

「そうなんですよね」

―普段から、成功哲学や自己啓発の本に触れている人は、知っていると思って、最後までに読み切らずに満足してしまいそうです。

「知識は怖いですよね。僕は、知識は3種類あると思っています。1つはこれまでの考え方に、ただ足されるだけの知識、2つ目はこれまでの考えを根本的に変えてしまう知識、そして3つ目は自分のこれまでの考え方に新たなインスピレーションを与えてくれるような知識です。世の中で読書している人の多くは、1つ目に当てはまる知識ばかりを集めているように思います。知識をただ単に足していくだけ。凝り固まった自分の考え方から抜け出せない人たちで、成長は足されていくように1次関数的。でもそれは本当の意味で本に出会っていません。重要なのは2つ目、3つ目です。2、3のような出会いは、指数関数的に我々を成長させてくれ、場合によっては違う次元にまで自分を高めてくれるでしょう」

―本書の巻末には、7冊の成功哲学の本がレコメンド(推薦)されていますが、特に思い入れのある作品はありますか?

「スティーブン・R・コビーの『7つの習慣』ですね。この一冊を読んでおけばそれでいいのではと思うくらい素晴らしい本です。一つの学問になるくらい、内容に深みがありますよね」

―では、この7冊の本以外で選びたかった本はありますか?

「『手放す生き方』ですね。アーチャン・チャーというタイのお坊さんが書いた本です。仏教では悟りを開いた人のことを阿羅漢と呼ぶのですが、アーチャン・チャーもその領域に到達していると言われています。これも注意深く読まないと気づけないかもしれませんが、これまでにない新しい価値観を教えてくれ、そこに到達する実践的な方法を教えてくれています」

―この7冊のリストを見ると、日本人が書いた作品は『ブッタとシッタカブッタ』だけで、しかもこの本はマンガなんですよね。

「そうなんです。これを言ったら極論ですが、成功哲学の本は、日本人の著作物なんて読まなくてもいいんじゃないかと思っているくらいです(笑)。僕の本は例外ですが(笑)。もちろん、日本人が書かれた本で良いものはありますが、映画と一緒で海外から輸入されるのは、本当に良い作品しかこないんですよ。すでに厳選されているんです。だから、海外の本は必然的に良いんだと思っています」

―では、本書をどのような人に読んで欲しいですか?

「今、うまくいってないと思う人全員ですよね。あとは成功哲学の本をいっぱい読んだけれど、何か違うなと思っている人」

―恋愛に悩んでいる人はどうですか?

「恋愛は少し違いますね。恋愛に役立つ内容も一つ載せていますが、そもそも恋愛と成功哲学の違いをあげると、成功哲学の場合はなんでもいいから成功すればいいんですよ。目的にたどり着くまでの手段は沢山ある。でも、恋愛は基本的に決まった特定の誰かとうまくいきたいんですよね。相手がいる話なんで。だから駆け引きや戦略が成功哲学と大きく変わる。ビジネスでうまくいっているのに、恋愛でうまくいかない人が多いのは、その戦略が違うことを知らないからだと思います。ただ、『モテたい』だと成功哲学に近付きます。『誰でもいいからモテたい』ですからね。誰かを好きになった場合は僕の恋愛の本を買って読んでいただいたほうがいいですね」

―では、このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。

「先ほども言いましたが、知識は3種類あります。そして、多くの人は知識を補強するために本を読みがちですが、概念を変えたり、新しくインスピレーションをくれる本と出会う努力をして欲しいです。そうすることで人生が変わりますよ。何十冊、本を読むよりも、一冊のそういう本に出会うほうが何倍も意味があるはずです」

―ありがとうございました!

(了)



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