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小さなダイヤモンド・アダマンタン

小さなダイヤモンド・アダマンタン

この記事は佐藤健太郎さんのブログ『有機化学美術館・分館』からご寄稿いただきました。

※記事のすべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/239899をごらんください。

小さなダイヤモンド・アダマンタン

分子の「かたち」フェチとしてここまでやって来ました筆者ですが、「好きな分子」をいくつか挙げるなら、やはりアダマンタンは入って来ようかなと思います。炭素の正四面体構造から自然に導き出されたシステム、自然の摂理的なものが感じられる分子というところでしょうか。以前も一度このブログでも取り上げて*1 いますが、ちょっと資料を手に入れたので再度まとめてみます。

*1:「征服されざるもの・アダマンタン」2011年08月30日『有機化学美術館・分館』
http://blog.livedoor.jp/route408/archives/51938362.html

小さなダイヤモンド・アダマンタン

アダマンタン
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http://px1img.getnews.jp/img/archives/d6250b44.jpg

チェコスロバキア産の原油からアダマンタンが最初に発見されたのは、1933年のことです。C10H16という分子式、ダイヤモンドの構造の一部を切り出した分子であることが判明し、アダマンタンの名がつけられます。1941年、初めての人工合成に成功したのはV. Prelogで、全収率は0.16%と低いものでした。余談ながらこのPrelog教授は、15~6歳の時に初めての論文を書いた早熟の天才で、1975年には立体化学の研究によってノーベル化学賞を受賞しています。

小さなダイヤモンド・アダマンタン

Vladimir Prelog(ウィキペディアより)
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この合成ルートが改善されたのは15年後、Schleyerによってでした。発見は偶然で、彼は下図左のような化合物を強いルイス酸で異性化させ、右のような化合物に変換する研究をしていました。ルイス酸は描かれた水素(白)を引き抜いて炭素陽イオンを発生させる力があり、これによって骨格が変換されるのです。

小さなダイヤモンド・アダマンタン

異性化反応
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この生成物を蒸留したところ、白い結晶が分留管にくっついてくることにSchleyerらは気づきました。これを集めて分析したところ、アダマンタンであることがわかったのです。

小さなダイヤモンド・アダマンタン

アダマンタン(水素原子省略)
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