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「ツイッターは首長向き」熊谷俊人・千葉市長が明かすネット活用術

熊谷俊人・千葉市長

 今年4月3日、時事通信が驚くべき記事を配信した。「千葉で『ヨウ素10兆ベクレル』未公表=昨年3月、世界版SPEEDI試算」というタイトルで、千葉市内で毎時10兆ベクレルという極めて高い数値のヨウ素が検出されたと報じるものだった。

 これは事実ではなく、完全に誤った内容だった。時事通信はすぐに記事を修正したが、すでに時遅し。ネット上では「千葉で放射能汚染か」と、デマ情報が拡散していた。そんなとき、冷静に「待った」をかけたのは、千葉市長の熊谷俊人氏だった。熊谷氏は、その日のうちにツイッターで「事実確認をしたら、千葉市の計測値を元に原発の放出量総量を推定すると10兆ベクレルということだったようで最初の記事が相当誤っていたようです」と記事の間違いを指摘。「時事通信から訂正・お詫び記事を配信して頂きました」と報告した。

 こうした熊谷氏の情報発信について、ネット上では「千葉市長しっかりしている」「冷静にやっている姿は素晴らしい」などの声が相次いだ。熊谷氏は34歳。NTTコミュニケーションズを退社後、千葉市議を経て、2009年に現役最年少市長となった。IT企業で培ったネットスキルを生かして、普段からブログやツイッターで市民との会話を積極的に続けてきた熊谷氏に「ネットと市政」がどうあるべきか聞いてみた。

(聞き手・山下剛)

■「市政だより」の情報が届いていなかった

――ツイッターを積極的に市政に生かしていますが、ツイッターを使うようになったきっかけは何ですか?

 2年ほど前に、知人から薦められたのがきっかけです。私は以前からブログをやっているのですが、コメントを書いてくれる人はとても少ない。しかしツイッターだと返事がすぐに来ます。140字という文字制限もあってか、脊髄反射的にコメントを返せるメディアだと思いました。

 私はツイッターを、広報手段であると同時に広聴、つまり検討中の施策をそれとなくツイートすることで市民の反応を確かめることもできる「即席アンケートツール」のように使っています。もちろん一部の方たちの反応ではあるのですが、それでも非常に便利なツールですね。

――ツイッターを使って、市民との対話会も行っていますね。

 年に2回開催しています。そもそもリアルの対話会をこれまでも実施していて、市民の方々と顔を合わせて直接意見を交換し合う機会を設けてきました。ツイッター対話会は、それと同じテーマでやっています。スケジュールの都合などで対話会に来られない、またはそもそも来ない人たちの意見を知ることが狙いです。

 対話会の参加者の年齢層は高く、積極的に市政に関わろうとしている人たちですが、ネットの人たちは若く、政治にあまり関心のない人たちが多い。今まで私たちが情報を伝えて届かなかった人たちに、初めてコンタクトができた感じですね。市役所の職員たちは市政だよりで情報を発信してきたのですが、それが(対話会の参加者に)まったく届いてなかったことをようやく理解し、愕然としていました。

■「行政だって市民だってバカじゃない」

――ブログの更新もほぼ毎日と頻繁ですが、ツイートもかなりマメにしていますね。どんな時にどんな場所でツイートしているのですか?

 役所の机でやることは基本的にありません。移動時間や、自宅にいるときの空いた時間を使っています。政治家はとにかく移動が多いですから、その時間を有効に使えるツイッターはとくに首長向きですね。

 市民は千葉市の施策をすべて知っている人間の一次情報を取ることができるし、首長だからこそすべての答えが返ってくる。私は市民の意見を知ることができる。お互いにとってこのメリットは大きいと思います。これは役所にはできませんし、役所の業務にも支障をきたしません。

――行政のこと以外に、家族のことなどプライベートも書いていらっしゃいます。

 やはり硬いことばかりだと親しみにくいものですし、人間味がないとおもしろくありません。読むほうもそうだと思いますが、書くほうとしてもそうですね。

――熊谷市長は政治マニフェストのひとつに「情報公開」を挙げていますが、その実現のためにもツイッターは有効ですか?

 その通りです。役所と市民とでは持っている情報量が違いすぎて前提条件が揃わず、議論にならないことが多いのです。役所と市民で情報の量と質を揃えて、スタートラインを同じにしたいのです。

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